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2026.08.24 08:42

AIインフラ構築に伴う巨額の電気代、そのツケは誰が払うのか

Adobe Stock

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現在、米国の公益事業規制において最も重要な議論は、再生可能エネルギーや送電線、あるいは原発の再稼働に関するものではない。コスト配分、具体的にはデータセンターへの電力供給に必要な巨額の送電網投資を誰が負担するのか、そしてそれを支払うのはデータセンターを建設する企業なのか、それともたまたま同じ供給地域に住む一般家庭なのか、という点である。

この問題の規模は、大半の人々の不意を突くものだった。ある分析によると、データセンターの需要増によって消費者の電気料金にすでに上乗せされた額は、約230億ドル(約3兆6500億円)にのぼる。供給力に制約のある地域では卸電力価格が急騰し、送電網の増強コストが一般利用者の料金負担に転嫁されている。そしていくつかの市場では、小売価格の上昇幅が、現実の政治問題となるほどに拡大している。

この問題を真に複雑にしているのは、直感的な見方が必ずしも正しくないという点だ。データセンターは、単に送電網に寄生しているわけではない。それらは電力会社から見れば、大口で信用力が高く、負荷変動が極めて平準化された予測しやすい顧客であり、理想的な顧客に近い。一部の地域では、データセンターの参入によって固定費がより多くのキロワット時(kWh)に分散され、実際に電気料金が引き下げられた。しかし、需要の伸びが発電・送電容量を上回ると、この力学は逆転する。その時点で、新たな需要が逼迫する供給を押し上げ、システム上の全員がより高い市場価格を支払うことになる。このセクターに関する連邦議会の分析では、データセンターの電力消費量が国の総電力使用量において無視できない割合に成長しており、今後も上昇し続けると予測されていることが指摘されている。

したがって、結果はほぼ規制の設計次第であり、だからこそ誰が支払うかを決めるルールが最大の主戦場となっている。いくつかの州では、データセンターに特化した大口需要家向けの特別料金体系を導入し始めている。これにより、データセンターに対して系統接続や送電のコスト自己負担、長期の最低引取(ミニマムテイク)契約の締結、さらには施設の建設中止や放棄に備えた担保の提供などを義務づけている。一方、そうした措置をとっていない州では、コストは一般の料金ベースに組み込まれることになる。

投資家にとって、これは整合的に価格に織り込まれていない一連のリスクをもたらしている。

データセンターが急成長している地域の規制対象電力会社は、分かりやすい成長株として扱われており、その論理は現時点では理にかなっている。電力会社の利益はレートベース(規制当局が認可した投下資本)の関数であり、10年にわたる需要の伸び悩みは、レートベースの成長が限定的だったことを意味していた。それが一転して、新規の発電、送電、配電に対する莫大な需要が突如として発生し、電力会社はそのすべてに対して規制上の一定の利回りを得ることができるようになった。これは、一世代ぶりに訪れた、本物で持続可能な収益の追い風である。

その根底にあるリスクは、運営上のものというよりは政治的なものだ。規制上の利回りは州の規制委員会の意向によって存在しており、委員会は有権者の声に反応する。データセンターへの供給に投入した資本から手堅い利回りを得る一方で、家庭向けの電気料金が20%も上昇するような電力会社は、料金改定(レートケース)をめぐる問題を抱えることになる。そして料金改定の問題は、実際の収益の源泉である「許認可自己資本利益率(ROE)」の問題へと発展する。データセンターが最も急速に成長している州が、偶然ではなく、この争いが最も進んでいる州であるのはそのためだ。

独立系発電事業者(IPP)や卸売発電事業者は、同じテーマをより分かりやすく反映している。彼らは卸売市場で電力を販売し、価格上昇の恩恵を直接享受できる。規制による利回り上限はなく、怒らせるような一般家庭の契約者も抱えていない。しかし、価格が下落した場合にはレートベースによる保護もない。インフラ整備のペースが鈍化するか、あるいは需要を上回るペースで新規発電能力が供給されれば、価格は下落することになる。

原子力発電を巡る取引は最も世間の注目を集めており、最も懐疑的に見るべき分野でもある。ハイパースケーラー(巨大IT企業)と既存の原発との間での長期電力購入契約(PPA)は事実であり、経済的にも極めて重要で、長年閉鎖の危機に瀕していた事業者たちの見通しを一変させた。しかし、再稼働や新設は、10年近い単位の時間軸で動くものであり、歴史的にコスト超過は例外ではなく常態化している。現在締結されている契約は、あたかもその発電能力(メガワット)が来年にも届けられるかのようなバリュエーションをされている。

さらに、こうした投資シナリオの多くが見落としている需要側の問題がある。データセンターの電力消費に関するあらゆる予測は、現在のインフラ整備計画をそのまま引き延ばした(補外した)ものだ。それらの計画は、必要とされる規模ではまだ実現していないAIによる収益を前提としており、その資金調達はますます負債に依存するようになっている。もし設備投資(CAPEX)の伸びが、停止するのではなく単に「鈍化」するだけでも、電力会社の10年分の資本支出を正当化する需要予測は修正を迫られる。そうなれば、契約相手がもはや電力を必要としなくなった契約に基づいて発電設備を建設した電力会社は、規制当局が回収を認め渋るようなレートベースの中に、座礁資産を抱え込むことになる。

クリーンで安定した電源(クリーンファームパワー)に関するプレスリリースがどうあろうと、短期的な需要に対する現実的な答えは天然ガスであるため、これについても触れておく必要がある。ガスタービンは10年ではなく2〜3年で建設でき、燃料は国内に豊富に存在し、タービンの受注残を抱えるメーカーは数年先までの見通しが立っている。これは小型モジュール炉(SMR)に比べれば地味な話だが、実際に建設される可能性ははるかに高い。大型タービンを製造する一握りの企業が抱える受注残は、公表されているどの需要予測よりも、電力会社が実際に何を見込んでいるかをリアルタイムに物語っている。

この状況において最も理にかなった投資ポジションは、おそらく最も地味なものだろう。特定の技術や顧客が何であるかにかかわらず、送電網への投資そのものから恩恵を受けるエネルギーインフラ・チェーンの部門を保有することだ。たとえば、送電機器、電気部品、系統用蓄電池、エンジニアリング・建設(E&C)などである。これらのビジネスはシステムの構築そのものから収益を得るため、特定の需要予測の正しさに依存することはない。

それは、ハイパースケーラー関連の見出しに飛びついて原子力発電事業者の株を買うよりも退屈な取引だ。だが同時に、AIの収益が予定通りに現れることを必要としない。現時点で、多くのポートフォリオにおいて最も大きな役割を果たしている前提は、まさにそこなのである。

forbes.com 原文

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