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2026.08.24 07:51

AIを「こっそり使う」優秀な社員たち 開示への恐れを乗り越えるための3つの戦略

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現在、世界中がAIの話題で持ちきりだ。AIは、インターネットやクラウドベースのテクノロジーの隅々にまで浸透している。アクセスも利用も一般化した今、かつてはデータサイエンティストなどの専門家だけに許されていた技術が、デジタルデバイスを持つすべての人に突然解放された。その結果、多くのリーダーが、主要な業務プロセスを抜本的に変革するためにAIをどう活用すべきかを急いで見極めようとしている。喧騒、過熱した期待、誤情報が入り交じるなか、AIによる「雇用の代替」は避けられない恐怖として存在する。しかし、その影には、もう一つのさらに目立たない恐怖が潜んでいる。それは「AIを使用していることの開示」に対する恐れだ。

なぜこのようなことが起きるのか

過去27年間にわたり業務プロセス改善の取り組みを主導するなかで、私は人々が自分の仕事の進め方を共有することに対して、強い抵抗を示す場面に何度も遭遇してきた。歴史的に見れば、その多くは職を失う恐れから情報を抱え込んできた。今日、その恐怖は「人間に仕事を奪われること」から「AIボット、プロンプト、エージェントの組み合わせに仕事を奪われること」へとシフトしている。さらに、これらのツールを採用することで、報酬が増えないまま仕事量だけが増えるリスクにも直面している。

さまざまな規模や業界の120社以上の企業でリーダーやそのチームと協働し、これまでに500人を超えるビジネスパーソンを育成してきた私の経験に基づけば、社員がAIの使用を隠したがる背景には、多面的な要因が存在する。

「スーパーヒーロー」としての地位の喪失:AIを使っていることが知られると、自分自身や自分の技術的能力に対する周囲の評価が下がるのではないかと懸念する。仕事の進め方を誰にも知られなければ、詮索好きな目を気にすることなく、安心して仕事をこなすことができる。

燃え尽き症候群(バーンアウト)の悪化:すでに燃え尽き症候群を経験している場合、AIを使用することで時間を生み出し、必要不可欠な息抜きの時間を得ることができる。しかし、その秘密が漏れてしまえば、同じ時間内により多くの成果を出すことを求められ、さらなるプレッシャーがかかることになる。

情熱を持てない仕事:AIの使用頻度が高まると、仕事の楽しさや知的な刺激が失われる可能性がある。さらに悪いことに、かつては楽しかった「サイドプロジェクト」が本業になってしまうと、熱意は薄れていく。仕事の本質が「考えて行動する」ことから、「終わりのないプロンプトの入力と編集」へと変容してしまうのだ。

これはリーダーを困難なジレンマに直面させる。リーダーは特に、以下の要素を天秤にかける必要があるからだ。

FOMO(取り残される恐怖):他社は「AIファースト」のポリシーを掲げて突き進んでいる。競争力を維持するためには、自社も日々の業務にAIを組み込まなければならない。

売上高と利益の成長:AIは人件費を増やすことなく、サイクルタイムを短縮し、顧客の需要により迅速に応える機会を提供する。

リスク管理:AIの導入を先延ばしにすることは、ビジネスに大きなリスクをもたらす。サイバー脅威の進化のスピードは、企業の防御力を上回るペースで加速しているからだ。

社員が「得られた時間的・精神的な余裕を自分のために使いたい」というニーズと、リーダーとしての「商品やサービスをより安く、より早く、より良く提供したい」というニーズを両立させることは可能だ。その方法とは何か。答えの一部は、「効率性」の定義にある。

効率性という要素

効率性は、仕事を正しく遂行する能力を測定するための一般的なKPI(重要業績評価指標)だ。通常は、アウトプット(成果)をインプット(投入リソース)で割り、100を掛けて算出される。アウトプットが大きいほど、効率性は高くなる。

AIによって、より短い時間で同等以上の効率が実現したとき、その恩恵を受ける対象は明らかだ。顧客は製品やサービスをより迅速かつ高品質で受け取ることができ、組織はコストを抑えながらより多くの収益を得ることができる。しかし、社員が得られる恩恵は、少なくとも本人たちにとってはそれほど明確ではない。報酬が増えないまま、アウトプットが2倍になれば、社員は不当に扱われていると感じるかもしれない。

そして、この「効率性向上に対する解釈の違い」と「それに伴うインセンティブ」こそが、リーダーとしての目標と、社員が抱く正当な不安を調和させられるかどうかを最終的に決定づける。

「スキル向上か、さもなくば退職か」を超える解決策

私の会社では、プロセスを劇的に変革するためにAIの使用を推奨している。私たちはどのようにAIを使っているかを定期的に共有しており、秘密のベールは存在しない。これとは対照的に、「株主第一主義」や「適応できなければ去れ」という文化を持つ組織が作り出す職場環境は、意図的であるかどうかにかかわらず、情報の抱え込みを助長する。社員にとって、効率的に働くことによるメリットが何もないのであれば、なおさらだ。

以下の戦略はポジティブな結果をもたらす可能性があり、組織への導入を検討する価値がある。

1. 独創性と創造性に報いる。AIを活用して同じタスクを行う2人が、まったく異なる結果を導き出す可能性は十分に高い。AIの使用を推奨するだけでなく、人間の思考を刺激するような公開の表彰・評価制度を設けることで、業務パフォーマンスとチームの士気を劇的に向上させることができる。

2. 知識の共有を促す。組織がAIの使用に関する方針や期待を明確に示すことは重要だ。これは、スループットや効率、関連コストを改善するためだけでなく、一部の社員を悩ませる燃え尽き症候群を防ぐためでもある。チームミーティング、ランチ勉強会、トレーニング合宿などのイベントを立ち上げ、自らもAIの使用事例を共有することで、AIの使用を共有しても安全であることを示そう。これにより、AI利用への期待値が設定されるだけでなく、他の社員が将来のナレッジ共有イベントを自発的に主導するきっかけにもなる。

3. 「遊び」を「成果」につなげる仕組みを作る。安全なデジタルサンドボックス(検証環境)を提供することで、社員がAIを使用する際の不安を解消する。これにより、悪影響を恐れることなくAIを実験できる安全なスペースが確保され、将来的にチームや企業全体で活用できる強力なユースケースを開発できるようになる。ボーナスや昇進の可能性と連動させれば、AIを使う楽しさが戻り、不安も和らぐだろう。

「希望」以上のものが必要

ギリシャ神話に登場する人類最初の女性パンドラが、好奇心から禁断の箱を開けたとき、予期せぬ無数の災いが解き放たれた。彼女が過ちに気づいて箱を閉じたとき、最後に残ったのは「希望」だけだった。同様に、AIという箱が開けられた今、そこから解き放たれたのは約束や機会だけでなく、新たな脅威やリスクでもあった。

企業として存続していくために、その箱を閉じることは現実的ではない。しかし、事業を継続していくためには、単なる希望以上のものが必要だ。このAI時代において、仕事の未来と企業価値を一致させるためには、継続的な教育、昇進や報酬といったインセンティブ、そして労使双方にとって有益となる変革プログラムという形での「具体的な行動」が求められている。

forbes.com 原文

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