経営・戦略

2026.08.27 07:15

正社員不足は5割超えの高水準が継続。「金利のある世界」で金融機関の人材需要が急増

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事業環境の変化や産業構造の転換が急速に進む中、多くの現場で労働力の確保が経営の重要課題となっている。帝国データバンクが実施した「雇用過不足」に関するアンケート調査によると、2026年7月時点で正社員の不足を感じている企業の割合は51.3%に達した。7月としての5割超えは4年連続であり、前年同月の50.8%から0.5ポイント上昇するなど、依然として高水準での推移が続いている。一方で、非正社員の人手不足割合は28.8%にとどまり、2025年4月以降は3割を下回る状況が続いている。


業種別に見ると、正社員の不足感でトップとなったのは「金融」の67.1%(前年同月比6.4ポイント増)である。日銀の利上げに伴う貸出金利や資金運用利益の増加といった「金利のある世界」への転換を背景に、新たなビジネス展開を見据えた人材需要が急増。さらに、M&Aや事業承継支援、企業価値担保権の活用といった高度で専門的なサービスへの対応が求められている点も、人材獲得競争に拍車をかけている。


これに続くのが、現役世代の高齢化や引退が響く「建設」(66.0%)や、ドライバー不足が常態化している「運輸・倉庫」(65.6%)などで、正社員では計6業種で不足割合が6割を超えた。


対照的に、非正社員では「飲食店」が57.7%(前年同月比4.1ポイント減)でトップとなったが、4カ月連続で6割を下回るなど改善傾向にある。また、「人材派遣・紹介」(56.8%)や総合スーパーを含む「各種商品小売」(41.1%)でも前年から大幅に低下しており、改善が見られている。しかし、「メンテナンス・警備・検査」(56.8%)や「娯楽サービス」(54.1%)のように前年を上回る業種もあり、雇用形態や業界によって状況の二極化がうかがえる。経験豊富な世代の引退に伴い、現場では技術やノウハウの継承とともに受注制約が生じており、正社員の確保・育成は今後も厳しい局面が続くと予想される。単なる採用活動にとどまらず、業務の効率化や定着支援を含めた総合的な人材戦略の構築が求められている。

出典:帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2026年7月)」 より

文=飯島範久

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