5つのマネー人格との向き合い方

PathDoc / Shutterstock

投資にのめり込む経営者がいれば、頑ななまでに支出を抑えようとする人もいる。どうしてなのかと長年考えるうちに、企業家の支出習慣や金銭哲学は5つの類型に分類できることがわかった。自分がどの「マネー人格」の持ち主であるのかを把握し、その長所短所が理解できれば、企業経営や資産運営もきっとうまく行くはずだ。

倹約家
筆者の知人にこんな人がいた。高給取りの上級職でありながら、妻との会話では「金がない」からバカンスなんて無理だと言い、子どもたちへのプレゼントも安いディスカウントストアで買っていた。「倹約家」は、負債を抱えるおそれは低いが、金銭的な満足感とも縁遠い。もしもあなたがこのタイプなら、月収の一定割合――3%くらい――を「太っ腹口座」を割り当てよう。その残高は罪悪感ぬきの消費にのみ使うのだ。

浪費家
クレジットカードを5枚も10枚も持ち歩き、1ダースものローンを抱えている。そんな人には、『バビロンの大富豪』を読むことをお薦めする。そして、自前の金で支払うことを最優先事項にするのだ。収入の10~15%は別に分けておき、消費支出には決して使わないように心がける。そうすれば、富を手にすることもできるはずだ。

現実逃避家
請求明細書を開封もせず、小切手の金額を見もせずにサインする人がいた。ある日、家族でディナーをとっていると、ノックの音がして、自宅が差し押さえられたことを告げられたという。もしもあなたが「現実逃避家」なら、確かな助言者を見つけることだ。ビジネスパートナーでも、性格タイプの違う配偶者でもいい。あるいは簿記係を雇うのでもいい。

気前がよすぎる人
気前がよくて慈悲深いのは良いことだが、度が過ぎるのも問題だ。もしもあなたがこのタイプなら、まずは財政基盤を固めることに集中して、寄付は後回しにすることだ。ひとたび揺るぎない財力が築けたなら、収入の一定割合を寄付用口座に自動的に移すようにしよう。そうすれば商売が傾くこともない。

蓄財家
金儲けに達成感をおぼえるタイプだ。価値の創出に意欲的なことが企業経営にもプラスに働くという長所もあるが、目が$マークになるという短所もある。筆者の知人は奥さんと散歩をしながら、ずっと利益目標のことばかりを話していたせいで、「お金以外の話題はないの?」と切り替えされたそうだ。もしもあなたがこのタイプなら、豊かな生活には金銭以外の充足感――とりわけ、家族との関係――も欠かせないということを忘れないようにしよう。

ここで紹介した5つの「マネー人格」には、それぞれに一長一短がある。自分がどのタイプかがわかった人は、長所で短所を補うように務めよう。どのタイプにも当てはまらないと思った人は、ビジネスパートナーや配偶者に訊ねてみよう。外からの視点であなた自身には見えないものを見つけ出してくれるかもしれないからだ。

編集 = Forbes JAPAN 編集部

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事