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2026.08.24 12:33

金価格1オンス4500ドル時代、誰も語らない買い手の正体

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機会費用の計算に、凍結リスクという項目が加わった

なぜ従来のモデルが機能しなくなったのかは、正確に押さえておく価値がある。そのうちまた機能し始めるはずだと考えたくなるからだ。金と実質金利の伝統的な関係は、機会費用の議論に立脚していた。金は何も生まないため、インフレ調整後の債券利回りが上がれば金を持つ費用は重くなり、価格は下がる。この理屈は、金融投資家には今も当てはまる。だが、準備資産の運用者には当てはまらない。運用者にとって比較対象となるのは単なる米国債ではなく、外国政府に凍結されうる米国債だからだ。この買い手にとって、機会費用の計算には従来のモデルが一度も持たなかった項目が入る。米連邦準備制度理事会(FRB)は2026年7月、政策金利を年3.50〜3.75%に据え置いた。実質利回りは十分にプラス圏にある。旧来の枠組みなら、金が苦戦して当然の環境である。だが金は苦戦していない。

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では、個人投資家はこれをどう受け止めればいいのか。

1つ目は、ポートフォリオの中で金が何のためにあるのかをはっきりさせることだ。ほとんどの人はそれを説明できない。金は、短期的な意味でのインフレヘッジではない。インフレに負け続けた長い期間が、実際に何度もあった。景気後退のヘッジでもない。2008年には激しく売られ、その後に回復した。金はキャッシュフローを生まないため価値を算定できず、規律ある投資家が客観的に割安あるいは割高だと言える価格は存在しない。機能から見れば金とは、通貨秩序と地政学の体制が転換する事態に対するヘッジである。通貨や国家の信用、さらには国際金融システムそのものへの信認が劣化していく筋書きだ。金が報いるのは、他に持っている資産が最悪の10年を過ごしている世界である。

配分は5〜10%、10%を超えたら集中した賭けになる

ヘッジすべき現実のリスクは確かにあり、それが一定の保有を正当化する。ただし、大きな保有を正当化するものではない。5〜10%の配分なら、金が効く場面で意味を持つだけの大きさがあり、はるかに起こりやすい効かない場面では大して響かない程度の小ささに収まる。10%を超えると、それはもうヘッジではない。利益も利回りもなく保管コストだけはかかる資産に、集中したマクロの賭けを張っていることになる。

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37%上昇した後だからこそ、時間を分けて買い増す

2つ目は、買い始める水準について正直になることだ。金は1年で37%上がり、価格に鈍感な買い手に買われている。これはまさに、長く続くトレンドと荒々しい調整の両方を生む条件がそろった状態である。4〜6月期の下げは、中央銀行が62%も高いペースで買っている最中に起きた。公的な需要が下値を支えるのは四半期単位ではなく年単位だ。そのことを思い出させる材料である。持ち高を築こうとする者は時間をかけて分けて買うべきであり、しばらく間違っているように見える期間を覚悟しておくべきだ。

3つ目は、この流れが続いた場合に何が起きるのかという居心地の悪い問いである。中央銀行による外貨準備の分散は数十年単位のプロセスであり、完了にはほど遠い。準備資産全体に占める金の比率は、1970年代の水準を大きく下回ったままだ。進む方向がこのまま変わらなければ、今後10年間で金の限界的な買い手となるのは、価格を気にせず売る気もない主体ということになる。これは異例であり、保有する側にとってはかなり好都合な市場構造である。

構造的な強気論は、相場の天井でこそ語られてきた

そして、これはまさに天井で持ち出される類の議論でもある。需要の源泉が恒久的に新しく生まれるという構造的な物語は、商品市況の歴史でも最悪級の下落局面に先立って語られてきた。規律とは、買った理由のままに持ち高を保ち、40%の下落に耐えられる規模に抑え、目標を超えて膨らんだら機械的にリバランスすることだ。今回の上昇にまだ先があるかどうかを、その都度判断することではない。

forbes.com 原文

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