新解釈『鶴の恩返し』で娘が去った意外な理由とは〜あの物語を「デカボ視点」で読んでみた#2

「脱炭素」について、自分の暮らしや仕事との具体的な接点を見つけ、「私の問題」だと感じられている人は、果たしてどれだけいるでしょうか——。

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そんな「脱炭素(Decarbonization)」を「デカボ」と呼び、楽しく自分ごと化してもらうための事業を推進する企業「Earth hacks」の代表取締役社長CEO・関根澄人が、身近な出来事やトレンド、誰もが知る物語などを通し、世の中をデカボ視点で読み替えていく連載。第二回目は、民話『鶴の恩返し』を取り上げます。

人間の若い娘になった鶴が老夫婦にした、たったひとつのお願い。それは、娘が機を織っている間は、決して部屋の中を覗かないこと。

今回は「デカボ」のレンズを通して、その戸をそっと開けてみます。すると、日本を代表するドラマティックな民話の、これまでとは少し違った側面が見えてきました。

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『鶴の恩返し』で浮き彫りになるアパレル産業の課題

まずは、『鶴の恩返し』のあらすじをおさらいしましょう。

昔々、貧しくも心優しい老夫婦が暮らしていました。ある日、おじいさんは山で猟師の罠にかかって苦しんでいる鶴を見つけ、助けてやりました。するとその晩、ふたりの家に「雪の中、道に迷ってしまったのでひと晩泊めてほしい」とひとりの美しい娘が訪ねてきました。ふたりは快く娘を泊めてやりました。しかし、その後も雪は降り止まず、娘は何日もふたりの家に滞在することに。すると、娘はそのうち「おじいさんとおばあさんの娘にしてほしい」と申し出て、3人は一緒に暮らすことになりました。

娘はその恩返しにと、反物を織ってふたりに渡すようになりました。それはとても美しく、市場ではすぐ売れました。娘は、ふたりに「機を織っている間は、決して覗かないでください」と告げていましたが、反物を織り上げるたびにやつれていきました。ある日、どうしても娘が心配になったふたりが娘の機織り部屋の中を覗くと、そこには自分の羽根を引き抜いて機を織る、痩せ細った一羽の鶴が。鶴は「私はあのとき助けてもらった鶴です」といい、悲しそうに空へと去っていきました
——おしまい。

このお話から私たちが受け取っていたのは、「善い行いは自分に返ってくる」という善行の報いと「約束を守る大切さ」、そして「相手を思いやる心の尊さ」といった教訓だったのではないでしょうか。では、この物語をビジネスの世界に当てはめて読み替えてみましょう。

鶴は労働者。おじいさんとおばあさんは、その労働者がこしらえた反物を得る消費者・あるいはそれを販売する企業。少々強引なこの構図で、『鶴の恩返し』を眺めてみると、現代のアパレルビジネスが抱える課題と、その変化の兆しが浮き彫りになります。

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文=関根澄人

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「デカボ」で変わる世界の見え方」

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