成功には、安全策以外の要素が必要だ
キャリアにおける成功は、スキルや粘り強さ、タイミング、人との関係、判断、チャンスなどにかかっている。しかし、ほぼすべての成功例では、もう一つの要素が必須となっている。それは、不確実な状況への耐性だ。
席に座る前から、面接がどんなものになるかはわからない。転職のオファーを受ける前から、新たな仕事が、今までより良いものになるかどうかはわからない。実際に試してみるまで、アイデアが成功を収めるかは知りようがない。
行動を起こす前に、できるだけ不確実性を減らそうとすると、そこに罠が生まれる。前に進んでいい、という確信が得られるまで待とうとしても、しかしそうした確信の大半は、実は、前に進むことでしか得られないのだ。
クラウドマインドは、先の保証がある状態を好む。一方、スカイマインドは、前もっての保証など、ほとんどのケースで得られないことを理解している。
キャリアを成功に導くための、異なる戦略
冒頭で触れたペックの「人生は難しい」という言葉は、おそらく正しかっただろう。喪失や失望、失敗や不確実性はどれも、人間が生きていくなかで避けられない要素だ。しかし我々は、あらゆる不確実性を警告と捉え、すべての不安感を、何かがおかしいことの証拠と解釈することで、人生にさらなる困難を付け加えてしまう場合がある。
こうした枠組みのなかでは、「後悔するより、安全を重視すべき」という姿勢は、知恵の姿を借りた、心理的な牢獄と化しかねない。この場合の正解は、クラウドマインドを黙らせることではない。その警告は私たちにとって必要なものだ。ここで目指すべきは、クラウドマインドの警告を、自動的に従うべき「天の声」にしないことだ。クラウドマインドにも発言権を与えるべきだが、決定権を常に授けるべきではない。
生き残りを重視する本能が、「これはやってはいけない。失敗するかもしれないから」と言い出した時には、その警告を心に刻みつつ、視野を広げてみよう。そして、本当に危険が迫っているのか、それとも、不確実性や脆弱性、あるいは成長の機会に遭遇しているのかを、自分に問いかけてみることだ。


