2026年初め、Uber(ウーバー)の幹部は、同社が2026年のAI予算を4カ月で使い切ったことを公表した。その後、さらに厳しい認識が示された。投じた数十億ドル(約数千億円)と、顧客にとって意味のある改善との間に、明確な因果関係を示せる人は誰もいなかったのだ。
それを率直に認めたUberのチームは評価に値する。同じ状況にありながら、口をつぐんでいる企業は少なくない。いずれにせよ教訓は同じだ。ソフトウェア支出をめぐる従来のルールは消え去った。
かつてソフトウェアコストは退屈なものだった。アカウント(ライセンス)1件あたりの定額料金を支払い、従業員数をかければ予算が決まった。AIはその計算を壊した。コストは今や利用量に応じて増え、バックグラウンドで動き続ける少数の自律型エージェントが、四半期予算を数日で燃やし尽くすこともある。
そうした事態がどう起きるかは想像に難くない。経営陣はあらゆる方向から圧力を受けている。競合に遅れを取らないこと、派手な見出しを獲得すること、投資家にAIのストーリーを示すこと。だから小切手帳は開いたままになる。
しかし、白紙小切手は戦略ではない。企業に必要なのは、AIの量ではなく価値を優先する支出の方法だ。私が知る最もシンプルな思考モデルはこうである。AI予算を人員予算のように扱うことだ。トークン上限のない企業とは、どのマネジャーも好きなだけ人を採用でき、誰からも問われない企業に等しい。そんな会社を運営したい人はいない。
四半期ごとのAIレビューは年間予算より重要だ
1年後にどのようなAIモデルや価格体系、ワークフローになっているかは誰にもわからない。計画サイクルの長さに対してAIの進化は速すぎるのだ。プロダクトリーダーは、それを年1回の作業のように扱うのをやめるべきだ。四半期ごとに計画し、すべての意思決定を将来の予測ではなく、現在の現実に結びつける必要がある。
そのうえで、実際に計画に資金を配分できるだけの柔軟性を予算に持たせるべきだ。最も優れたチームが目標を達成しているとき、厳格な上限は、追加の燃料を得るにふさわしいまさにその瞬間に彼らを罰することになる。一方で、何も動かさない仕事にトークンをひそかに燃やしているチームは見過ごされる。硬直的な上限設定は完全に本末転倒だ。成果を出すチームの成長を止め、成果の出ないチームの不振を隠蔽してしまう。
解決策は、四半期ごとに2つの数字を並べて設定することだ。目指す事業成果と、それを支えるAI予算である。まず全社レベルで両方を設定し、次に部門、チームへと落とし込み、最前線のすべてのマネジャーがトークン予算と成果目標を持ち、その組み合わせに基づいて評価されるようにする。



