顧客がより慎重になる
自社に流入する売上資金の供給元を遡って確認してみよう。もし売上の大部分をテクノロジー企業や、テクノロジー業界のバリュエーションにボーナスやストックオプションが左右される人々から得ている場合、AI投資の減少は、他よりも先に彼らの予算削減という形で自社に及ぶ。
代理店は顧問契約を失い、コンサルタントはプロジェクトを失う。そうした資金が集中する都市のリクルーターやイベント会社、レストランは、四半期以内にその影響を実感することになる。自社ビジネスがAIと全く関係がなかったとしても、最良の顧客がAIに完全に依存している場合があるのだ。
単一のAIプロバイダーに依存しすぎている
あるAI企業が明日、利用規約を変更した場合、自社ビジネスのどれほどが停止に追い込まれるかを計算してみよう。彼らが値上げを行ったり、自社システムが基盤としているモデルの提供を終了したりしたらどうなるだろうか。彼らにとって、どちらの決定も日常的な製品管理の一環にすぎない。
自社にとってワークフローの価値が高まるほど、他への移行コストも高くなる。そのツールが優れているからこそ依存関係が構築されるのだが、それが起きていることに誰も気づかない。
AI崩壊から自社を守る5つの方法
1. 重要なサプライヤーを監査する
自社ビジネスを維持する上で欠かせないサプライヤーを書き出してみよう。そして、それぞれのサプライヤーについて4つの項目を確認する。データの書き出し(エクスポート)が可能か、実用的な代替手段が存在するか、移行にどのくらいの期間を要するか、そして月払いで済むものに対して数年分の前払いをしていないか、という点だ。
その上で、そのうちの1社が価格を変更したり、製品を廃止したり、あるいは消滅したりした場合にどう対応するかを決定する。その決断を下すコストは、今なら安く済むが、急に迫られた場合は極めて高くつく。
2. 単一のAIプロバイダーへの依存度を下げる
自社のAIシステムを価値あるものにしているデータや指示を、自社が管理できる場所に保管しておく。プロンプト、ビジネスロジック、顧客情報、業務プロセスの説明書などだ。可能な限り、システムを再構築することなく、別のモデルを組み込めるように構築する。役に立つ分野ではAIを大いに活用しつつ、それを有用なものにしているデータなどの素材は自社の手元に残しておくべきだ。


