リーダーシップ

2026.08.23 09:38

「その誰かとは、私たちだ」価値観に基づくリーダーの4条件

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会場を埋めていたのは、履歴書に華々しい実績と長年の功績を並べる幹部たちだった。だが、彼らがどれほどの成果を上げていようとも、いまだ答えの出ていない問いが残っていた。そこで数週間前、私はこの錚々たる成功者たちを前にした講演で、毎年MBAの学生に投げかけているのと同じ問いを投げかけた。

本気で、価値観に基づくリーダーになりたいと思っている人はどれだけいるだろうか。

それに対し、うなずく頭が見え、手が上がった。もちろん彼らは、自分自身を価値観に基づくリーダーだと見なし、周囲からもそう認められたいと望んでいた。だが、望むだけでは十分ではない。自分の価値観に従って率いているように見られたいと思うだけでも不十分である。

私が語っているリーダーシップとは、他者のために価値観を行動に移すことだ。

世界には深刻な懸念が山積している。地政学的対立、経済の不確実性、政治的分断から、AIの急速な拡大と、その影響を理解し緩和するリーダーの役割まで、多岐にわたる。さらに、貧困や非識字、食料やその他の資源への公平なアクセス、デジタル格差、そして山火事のような環境災害を引き起こす気候変動といった社会課題もある。

こうした課題を前にした反応には幅がある。一方の端には、少なくとも内心では、自分や家族が直接の影響を受けていないことに安堵する人たちがいる。中間には、不安だと嘆き、どれほど心配しているかを口にしながらも、心配する以上の行動には移らない人たちがいる。

その対極にいるのが、自ら進んで変化を起こすことに覚悟を決める人たちだ。他の人々が世界の問題に取り組む「誰か」を探して周囲を見回すなか、彼らは自分にできることは何でもしなければならないと感じるリーダーである。彼らの合言葉は何か。「その誰かとは、私たちだ」である。

自分にその資質があるかを見極めるために、価値観に基づくリーダーになるための4つの不可欠な覚悟を示したい。

1. 何が最も大切かを知っている

これは二択である。持っているか、持っていないかのどちらかだ。自分の価値観が何であるかを知らなければ、価値観に基づくリーダーにはなれない。何が最も大切かを見極める最良の方法は、自己省察に取り組むことだ。これは、私が掲げる価値観に基づくリーダーシップの第一原則である。定期的に一歩引き、雑音や気を散らすものを取り除き、次のような問いを考えるだけでもよい。自分は何を大切にしているのか。自分にとって最も重要なものは何か。今日やると言ったことを、実際にやったのか。他者にどう接したのか。もし今日をもう一度生き直せるなら、何を変えるだろうか。これらの問いは、根本的な真実を示している。自己省察を通じてのみ、私たちは自分自身を知ることができる。自分自身を知らなければ、自分を率いることはできない。そして自分を率いることができなければ、他者を率いることもできない。

2. 映画を見ているのではなく、映画の中にいる

価値観に基づくリーダーとして、あなたは世界で起きていることを眺める単なる観客ではない。むしろ、自分が変化をもたらせる課題や領域に積極的に関わる存在である。これは、故スティーブン・コヴィーが「影響の輪」と呼んだものの本質であり、私たちが影響を及ぼせる範囲を指す。その規模は人によって異なる。グローバルに行動できる人もいれば、地域に焦点を当てる人もいる。だが、その意図は同じである。他者にとって物事をより良くするために、可能なことは何でも行うことだ。言い換えれば、価値観に基づくリーダーは、映画をただ見ているのではなく、自ら映画の中に入ることをいとわない。

3. リーダーシップは肩書や組織図とは無関係だと知っている

リーダーシップとは、人に何をすべきかを命じることではない。人に前向きな影響を与えることである。そして他者に影響を与える最良の方法は、その人たちと関係を築くことだ。これが、私の3要素モデルである。リーダーシップ、影響、関係構築だ。重要なのは、共感や親近感の出発点はトップダウンではないということである。それは、自分が上司ではないときを含め、どの階層でも起こり得る。あなたがどのような人で、何を大切にし、何があなたの行動を動機づけているのかを知ることで、周囲があなたと関係を感じるほど、彼らは気づき、関わる可能性が高くなる。私の経験では、突き詰めれば信頼に行き着く。信頼がなければ、目標達成のために協力してほしい人たち、つまりチーム、同僚、そして上位のリーダーたちは、あなたを助けることに本気で関与しない。

4. すべての人に敬意を示す

ちょっとした練習をしてみよう。最後に自分のオフィスビルに入ったときのことを思い出してほしい。受付にいる人たちをファーストネームで呼び、あいさつしただろうか。彼らの家族や好きなスポーツチームについて尋ねただろうか。そして、遅くまで働いているとき、清掃スタッフが巡回していたらどうだろう。彼らの仕事に感謝を伝えているだろうか。ごみ箱を空にするのを数分手伝うことさえあるだろうか。これらの問いは、誰かを恥じ入らせるためのものではない。むしろ、価値観に基づくリーダーシップは原則に根ざしており、その一つが真の謙虚さであることを思い出させるものだ。真の謙虚さとは、自分がどこから来たのかを決して忘れず、これまでどれほど多くの人に助けられてきたかを決して見失わないこと、と定義するのが最も適切である。自分が出発したキュービクルを覚えているリーダーは、自分への過大評価にのめり込む可能性がはるかに低く、むしろ一人ひとりの重要性に意識を向け続ける。

今日、自らの原則に導かれる価値観に基づくリーダーが、より多く緊急に求められている。それにもかかわらず、世で成功しているように見える人々の姿を見ると、価値観に基づくリーダーシップは時代遅れで場違いに映るかもしれない。しかし、そうした矛盾のように見えるものに囚われるのではなく、価値観に基づくリーダーシップを志す人は、その課題に立ち向かう。

それこそが、私が講演を聞いていたリーダーたちに伝えたかったことだった。私のメッセージは、価値観に基づくリーダーであるためには、キャッチフレーズを採用したり、リーダーシップにおける「今月の流行」に乗ったりする以上のものが必要だということだった。

40年以上にわたり価値観に基づくリーダーシップを実践してきた経験から、成功することもあれば失敗することもあり、それでもその目標を決して諦めなかった私は、そこに必要な規律を知っている。それは、自らの価値観を、人生をどう生き、世界にどう向き合うかの土台として深く引き受ける覚悟である。

forbes.com 原文

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