北米

2026.08.23 08:41

米貿易赤字、4カ月連続拡大の要因はAIインフラ投資

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米国勢調査局の最新データによれば、米国の貿易赤字は4カ月連続で拡大し、6月には1000億ドル(約15兆9000億円)を突破した。

これはトランプ大統領が耳にしたい話ではない。同氏は長年にわたる米国の貿易赤字を抑え込むべく、数々の大胆な措置を講じてきた。それには、1期目の中盤に打ち出した中国からの輸入品ほぼ全てへの関税から、2025年4月2日の「解放の日」に世界を相手に発動した関税に至るまでが含まれる。後者の関税は、最終的に連邦最高裁が違憲と判断した。

要因の一つは、グーグル親会社のアルファベット、フェイスブック親会社のメタ、マイクロソフト、アマゾン、オラクルなどによる、人工知能(AI)データセンター向けのコンピュータ、サーバー、その他機器の輸入への数十億ドル規模の投資が続いていることだ。コンピュータの輸入額は、自動車や石油を上回る。

もちろん、貿易赤字は歴代大統領も悩ませてきたが、その削減をトランプほど経済政策の中心に据えた大統領はほとんどいない。

6月の総額1092億6000万ドル(約17兆3000億円)は、今年に入って米国の赤字が1000億ドル(約15兆9000億円)を超えた2カ月連続の記録で、2月に比べ87%増となった。2月は今や異例の水準に見え、ここ数年で最も低い月次総額だった。

6月の総額は、1171億3000万ドル(約18兆6000億円)を記録した昨年7月以来の最大の赤字となった。

年初来(上半期)で見ると、米国の赤字は2025年上半期の6921億5000万ドル(約110兆円)に対し、今年は5088億3000万ドル(約80兆8000億円)となっており、前年同期よりは低い水準を維持している。

しかし、赤字に懸念を抱く人々にとって、この決して小さくない差はほとんど慰めにはならない。なぜなら、2025年は、トランプが4月初旬に発表するとしていた貿易戦争に先んじようと輸入業者が輸入を前倒ししたため、米国の赤字は最初の3カ月間で初めて1000億ドル(約15兆9000億円)を突破したからだ。その後、同年の残りの期間はやや減速した。

今年上半期の赤字は昨年を下回っているものの、2023年と2024年の上半期の赤字をわずかに下回る程度にすぎない。そして勢いを増しているように見える。

したがって、輸出が15.19%増加して過去最高の1兆2400億ドル(約197兆円)に達し、米国の輸入が1.14%減少して過去2番目の水準である1兆7500億ドル(約278兆円)となったにもかかわらず、赤字は依然として拡大したのだ。

貿易赤字を抑え込むのは常に困難を伴う。なぜなら、貿易赤字とは最終的に、米国の消費者や企業の卓越した購買力を示すものであり、それが国内の労働者や企業が生産し、十分な輸出需要を見出す能力を上回っているからだ。米国は、中国とドイツに次ぐ世界第3位の製造国であり続けている。

過去のように中国という特定の1カ国を指摘するだけではもはや通用しないため、今年の赤字削減はさらに困難になっている。

6月には、ベトナム、メキシコ、台湾の他の3カ国が、米国にとってより大きな貿易赤字を記録した。かつては他国に対する赤字の5倍の規模を誇っていた対中赤字は、現在では4位に後退している。かつて米国にとって最大の貿易相手国だった中国は、現在ではメキシコやカナダに大きく水をあけられて3位に位置しており、今年に入ってからは一時期、台湾の後塵を拝する月もあった。

これら台湾、メキシコ、ベトナムに対する米国の赤字は、主に広義のコンピュータ輸入分野の増加によるものだ。AIに注力する多国籍企業によるデータセンターへの巨額の投資がなければ、コンピュータサーバーや部品のこれほど継続的かつ膨大な増加は見られなかっただろう。

コンピュータ輸入は、2025年上半期の1014億2000万ドル(約16兆1000億円)から、今年上半期には1944億4000万ドル(約30兆9000億円)へと91.72%という驚異的な増加を示した。台湾、メキシコ、ベトナムの3カ国が、6月までの総額の83.03%を占めている。

もし6月のコンピュータ輸入額が、単に前年同月の水準にとどまっていたならば、米国の全体的な赤字はおよそ140億ドル(約2兆2200億円)低く、1000億ドル(約15兆9000億円)を下回り、5月の総額も下回っていただろう。

コンピュータ輸入の大幅な増加は、年初来の輸出側の15.19%増を相殺した。この輸出額の増加は、金の輸出が155.13%急増したこと、石油が49.66%増加したこと、そしてガソリンおよびその他の精製石油製品が34.40%増加したことによる。

金の輸出急増は、貿易戦争への懸念、米国の対イラン対立、そして継続するロシアによるウクライナ侵攻やイスラエルによるガザでの戦闘など、投資家の不確実性と結びついているようだ。金は、より安全な避難先と見なされるスイスや英国などの市場に送られている。

しかし、AIインフラを構築するためのコンピュータサーバーと米国のデータセンターへの巨額投資は、中国や他の諸国がAIの開発における米国のリードを追い越しかねないという懸念への対応でもある。AIは、世界がかつて目にした中で最も破壊的な技術だと多くの人が捉えている。

6月のデータは、赤字が単なる中国問題ではなく、一度に1カ国を標的にすることでは解決されそうにないことを改めて示している。米企業がAIのインフラ構築を競い合い、米国の消費者と企業が国内で売る以上に世界から買い続ける限り、貿易赤字を抑え込むことは依然として困難であり続けるだろう。

forbes.com 原文

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