マーケティング

2026.08.22 17:02

顧客体験(CX)成熟度の5段階──なぜ大半の企業は「フェーズ2」で停滞するのか

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私の同僚が最近、私たちがこれまで知ってきた「エクスペリエンス管理」の時代が完全に書き換えられようとしていると書いた。私も同感だ。しかし、その理由と、それに代わるものを理解するためには、私たちがどのようにしてここまで到達したのかを理解する必要がある。

顧客体験(CX)という領域が現在の限界に到達したのは偶然ではない。それは一連の明確なフェーズを経て進化してきた。それぞれのフェーズは、当時としては真の前進であったが、最終的には企業が実際に必要とする複雑さに追い越されていった。今日、ほとんどの組織は、以前のフェーズに合わせて構築されたインフラを使い続けている。世界は前に進んでいるが、多くのCXプログラムは取り残されたままだ。

私はこの流れを次のように捉えている。そして、真の機会(およびそれに伴う真の作業)はどこにあるのかを考えている。

フェーズ1:サーベイの時代

エンタープライズにおけるエクスペリエンス管理の第1フェーズは、当時としては真に革新的だった1つの洞察によって定義された。顧客にどう感じたかを尋ね、その回答を集計・追跡し、そのデータを用いて事業を改善できるというものだ。2003年に導入されたネットプロモータースコア(NPS)は、従来の市場調査にはなかった形で経営層に響く、シンプルでベンチマーク可能な指標を組織にもたらした。

20年近くにわたり、サーベイこそがエクスペリエンスプログラムだった。サーベイを設計し、展開し、回答率を測定し、スコアを追跡し、結果を報告する。組織はこのモデルを中心に機能全体を築いた。

そして、それは機能した。ある時点までは。その転換点は、どれほど丁寧に測定されたスコアであっても、主要な事業成果を達成するための行動には必ずしも結びつかないと組織が気づいた時に訪れた。サーベイは、何かがうまくいかなかったことを教えてくれた。しかし、より多くの文脈を適用し、スコアだけでなく体験にまつわる言葉を分析しない限り、何が、どこで、なぜ起きたのか、あるいはどう対処すべきなのかを教えてくれることは滅多になかった。同時に、サーベイプログラムが大規模に展開される一方で、顧客の関心はオンラインフォーラム、ソーシャルメディア、位置情報に基づくレビューサイトなど、ますます多様なエンゲージメントプラットフォームへと移っていった。これらはサーベイプラットフォームから注意を奪い、サーベイ回答率を低下させた。

フェーズ2:オムニチャネルシグナルの時代

第2フェーズは、サーベイの根本的な限界、すなわち顧客体験のごく一部しか捉えていないという問題を解決しようとする試みによって特徴づけられた。解決策は明白に思えた。より多くのチャネルの声に耳を傾けることだ。コンタクトセンターを加える。デジタルフィードバックを加える。ソーシャルリスニングを加える。アプリ内の仕組みを加える。シグナルの網羅範囲が広がれば、より良い全体像が得られる、という考えだ。

これは実際に前進だった。しかし、新たな問題をもたらした。各チャネルで収集されたデータは、そのチャネル内にとどまったのだ。コンタクトセンターチームには彼らのデータがあった。デジタルチームには彼らのデータがあった。CXチームにはサーベイ結果があった。それぞれが部分的な視点を持っていた。しかし、誰も顧客ジャーニー全体を完全には理解していなかった。なぜなら、あるチャネルから得られたインサイトが、その問題を解決し、悪い体験に伴うコストと労力を減らし、全体的な顧客ロイヤルティを高められる事業部門に共有されていなかったからだ。たとえば、コンタクトセンターへの電話を減らすには、どのようなネガティブな製品体験やデジタル体験を修正する必要があるのか。どのような店舗体験がオンラインチャット体験を生み出しやすいのか。どのようなコールセンター体験が苦情へと発展し、企業に財務リスクをもたらすのか。

大企業の多くはいまだ第2フェーズにある。マルチチャネルのリスニングに多大な投資をしてきた。ダッシュボードもある。多くの場合、非常に多くのダッシュボードがある。行動に移せる以上のデータを抱えている。それでも、ある顧客が離脱しようとしていることを示すシグナルは組織には見えない。証拠が、共通のプラットフォームも共通の対話も持たない3つの部門に分散しているからだ。

このフェーズでは、データ量が、それを一貫した形で活用する組織能力を上回った。その結果、エクスペリエンスチームが知っていることと、事業が実際にそれに対して行うことの間に重大なギャップが生まれた。これは多くのブランドにとって、不満の高まる原因となっている。

フェーズ3:コネクテッドインテリジェンスの時代

第3フェーズは、まさに私たちが今その渦中にいるフェーズである。これは、エクスペリエンスデータの価値は個々のシグナルにあるのではなく、顧客の全ジャーニーにわたるシグナル同士のつながりにあり、それを行動に必要な組織上の文脈に結びつけることにある、という認識によって定義される。

これには、多くの組織が過小評価してきたプラットフォーム投資が必要だ。同一顧客について、コンタクトセンターの文字起こしをデジタルセッション、サーベイ回答、店舗でのやり取りにつなぎ、時系列でリアルタイムに把握することは、データエンジニアリングの問題ではない。エクスペリエンスインフラ全体の構築方法を見直すことを求める、アーキテクチャ上のコミットメントである。

フェーズ3では、AIも意味のある形で物語に入ってくる。分析の追加機能としてではなく、シグナルのエコシステム全体を理解するエンジンとしてだ。人間のアナリストでは同じ速度で検知できないチャネル横断のパターンを特定し、対症療法ではなく根本原因を浮かび上がらせ、適切なタイミングで適切な人物にインテリジェンスを届ける。多くの組織が、人材とプロセスを拡張するAIツールの活用を模索するなか、リサーチツールとしてのAIから、業務能力としてのAIへの移行はすでに大きく進んでいる。

フェーズ3を可能にするプラットフォームには共通した特徴がある。それは、シグナルを収集するだけでなく、それらを接続するよう設計されていることだ。組織上の責任の所在を組み込んだ、いわば生きたリアルタイムの顧客ジャーニーマップを構築するのである。これをうまく実現するプラットフォームと、単にチャネルデータを集約するだけのプラットフォームの違いは、インサイトを持つことと、実際に行動に移せるインテリジェンスを持つことの違いである。

フェーズ4:継続的アクションの時代

ほとんどの組織は、まだフェーズ4に到達していない。到達した組織は、他の組織にとってのエクスペリエンス管理の姿を再定義している。このフェーズで最大限の価値を得るには、組織はそれらのエクスペリエンスシグナルを接続し、AIを活用してパターンやトレンドを推測し、根本原因を特定し、適切な部門やチームにアクションを割り当て、顧客体験と事業成果を改善する実践的で影響力のある変化を生み出すべきである。

フェーズ4は、1つの原則によって定義される。行動を生み出さないエクスペリエンスインテリジェンスは、競争優位ではなくコストセンターである。何が起きているのかを表面化するプログラムから、次に起きることを変えるシステムへの移行だ。それは組織全体で、事業のスピードに合わせて自動的に行われる。

これには、3つの要素が連携して機能する必要がある。第1に、インサイトを提示するだけにとどまらず、アクションを推奨し、発動するAIである。何が間違っていたかをマネジャーに伝えるだけでなく、それに対して何をすべきかを伝え、場合によっては実行するAIだ。第2に、エクスペリエンスインテリジェンスを、実際に変化する指標を所有する業務システムや人々に結びつける組織モデルである。CXOだけでなく、COOにつなぐことだ。第3に、実行されたアクションの影響を測定し、その学習をシステムに戻し、時間とともに積み上がる継続的改善を促すクローズドループのプラットフォームアーキテクチャである。

フェーズ4で運用している組織は、多くのCXプログラムが実現に苦労していることを成し遂げている。エクスペリエンスシグナルを財務成果に直接つなげているのだ。それは四半期の事業レビューに載るスライドとしてではなく、リスクにさらされている収益、業務コストの要因、リテンション上の脅威をリアルタイムで特定し、その影響が損益計算書(P&L)に及ぶ前に組織の対応を調整する、常時稼働のライブシステムとして機能している。

フェーズ4を可能にするツールはますます利用可能になり、イノベーションも急速に進んでいる。あらゆるユーザーが自然言語でシグナルのエコシステム全体に問い合わせられる会話型AIエージェントや、サーベイに一度も回答したことのない顧客の感情を推測する予測モデル、適切なシグナルを適切なチームに振り分け、その対応が結果を変えたかどうかを追跡する自動アクションオーケストレーションなどが挙げられる。テクノロジーは現実のものになりつつある。しかし、ほとんどの組織を足止めしているのはプラットフォームではない。その周囲にある組織モデルと、それが依存するデータ基盤である。

フェーズ5:エージェンティック時代

フェーズ5は、市場が向かっている先であり、その速度は多くの組織の想定を上回っている。このフェーズでは、エクスペリエンスインテリジェンスの主な利用者はもはや人間ではない。AIエージェントである。自動化されたワークフロー、パーソナライゼーションエンジン、サービスオーケストレーションシステム、そして企業が自社業務を運営するために積極的に構築している独自のエージェント型インフラだ。これらのエージェントは、顧客関係で何が起きているのかを理解し、人間がレポートを読むのを待たずに、リアルタイムでそれに基づいて行動する必要がある。

これにより、エクスペリエンスプラットフォームの役割は、人間の意思決定を支援するシステムから、機械が行動することを可能にするインフラへと変わる。その意味は大きい。今日のエンタープライズ向けエクスペリエンスプラットフォームを支えている組織階層のモデリング、ロールベースのアクセスアーキテクチャ、シグナルルーティングのロジックは、機械が利用者となる世界に向けて再構築される必要がある。ガバナンスの枠組みは、リアルタイムの顧客対応においてAIがブランドを代表して行動することを織り込まなければならない。信頼の枠組み、すなわち企業が顧客と直接関わるために勝ち取ってきた許諾は、そのエンゲージメントの重要性が高まるほど、いっそう価値を増す。

フェーズ5で企業が先行するのを支えるプラットフォームには、1つの重要な資産が共通している。エンタープライズ級の運用を何年も重ねる中で、ブランドを代表して顧客と直接関わるための信頼を獲得していることだ。その信頼、そしてそれを支えるガバナンスアーキテクチャは、短期間で構築できるものではない。それは、エージェンティック時代の勝敗を分ける土台である。フェーズ5が求めるインフラ、ガバナンス、組織モデルにいま投資している組織は、今後何年にもわたり積み上がる構造的優位を手にすることになる。

では、自社はどこにいるのか

これを読んでいるすべての企業リーダーにとって率直な問いは、自社がどのフェーズにいるのか、ということだ。そしてさらに重要なのは、自社がいるフェーズが、顧客が生きている世界や顧客の期待と合致しているのか、という点である。

顧客は、あなたの会社のエクスペリエンスプログラムの枠組みや組織構造というレンズを通してブランドを体験しているわけではない。顧客はそれを、あらゆるチャネル、あらゆるやり取り、リアルタイムで続く一連のジャーニーとして体験している。フェーズ2のプログラムとフェーズ4のエクスペリエンスの差は、顧客にとって見えないものではない。それは応答時間に表れ、自分が認識されているのか、いないのかという感覚に表れ、組織が直前に起きたことを覚えているかのように振る舞うかどうかに表れる。

多くの組織は、進化する必要があることを理解している。課題は、各フェーズの移行にはテクノロジーのアップグレードだけでなく、組織のアップグレードも必要だということだ。異なるスキル、異なる構造、異なる成功の定義が求められる。フェーズ1で優れた成果を上げたCX担当者は、サーベイ設計者だった。フェーズ3ではデータアーキテクトが必要になる。フェーズ4では、エクスペリエンスインテリジェンスと業務上の説明責任の交差点に立つ事業変革の担い手が必要になる。そしてフェーズ5の組織は、エージェンティックAI、ワークフロー自動化を受け入れ、エクスペリエンスシグナルを事業プロセスと成果に業務上結びつけている。

良い知らせは、フェーズ間の移行に以前ほど時間がかからなくなっていることだ。かつて構築に何年もかかったAI能力は、いまやエンタープライズ規模で利用可能であり、世界で最も複雑な組織が事業を運営する方法にすでに組み込まれたプラットフォームの一部となっている。フェーズ2からフェーズ4への道のりは、多くの組織が考えるより短い。

問われているのは、その旅を始めるかどうかではない。いま始めるのか、それとも競合がすでに始めた後に始めるのかである。

forbes.com 原文

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