ブラックロック内でも、長期債と短期債で成績が割れた
ブラックロックは債券市場のあらゆる領域にファンドを揃えている。同社の長期国債ファンドであるTLTが、分配金を含めたトータルリターンで年初来4.22%のマイナスなのに対し、ジャンク債(格付けが投資適格に届かない、その分だけ利回りの高い債券)に投資するファンドは2.6%のプラスだ。償還までの期間が3カ月以内の米短期国債(Treasury bills。政府が発行する期間1年以内の割引債)を保有するファンドにいたっては、2.27%上昇している。
ジャンク債は値動きの面で株式に近い性格を持ち、景気が強く債務不履行(デフォルト)が少ない局面では国債を上回ることが多い。とはいえ2026年の明暗は、「安全」という言葉が覆い隠しがちなものを浮き彫りにしている。米国債はデフォルトの心配こそほとんどないが、金利が上がれば損失が出る。とりわけ、償還までに数十年かかる債券ほどその影響は大きい。
ブラックロック自身のファンド群を並べてみると、何が起きているのかが見えてくる。現在、債券価格を押し下げているのは、信用リスクよりも償還までの期間の長さである。
値動きを決めるのは信用リスクではなく、実効デュレーション
債券価格を左右する鍵となる指標が、実効デュレーション(effective duration。金利が動いたときに債券価格がどれだけ動きやすいかを表す数値)である。金利が上がると、投資家はより高い利息を払う新発債を買えるようになるため、すでに発行されている債券の価格は下がる。逆に金利が下がれば、高い利息が付いた既発債の価値は上がる。
TLTは金利が1%変われば、価格が約15%上下する
デュレーションは、その動きやすさを数値に落とし込んだものだ。デュレーションが3年のファンドなら、市場金利(債券の利回り)が1%ポイント上がれば価格は約3%下がり、同じだけ下がれば約3%上がると見込まれる。TLTのデュレーションは14.81年だから、どちらの場合も価格は15%近く動く計算になる。


