米国時間8月21日、テスラ車の緊急時のドア解錠機能に対する懸念が高まる中、中国の規制当局はテスラに対し約300万台の車両のリコールを命じた。これは中国の自動車市場において過去最大のリコールであり、テスラにとってもこれまでで最大規模となる。
中国で約298万台をリコール、テスラとして過去最大規模
中国国家市場監督管理総局(SAMR)が21日に発表した声明によると、テスラは2019年3月4日から2026年4月29日までに製造された「モデル3」の97万3156台と、2020年11月16日から2026年4月30日までに中国で製造された「モデルY」の約196万台のリコールを実施する。さらに、輸入された3万5000台以上のモデル3、約8000台のモデルX、約2000台のモデルSも対象となる。
合計約298万台に上る今回のリコールは、テスラにとって市場を問わず過去最大規模のものとなる。
緊急時に脱出用ドアレバーの発見が困難、警告表示を無償で貼付
SAMRによると、対象となるテスラ車内に搭載されている緊急脱出用の機械式ドア解錠レバーは、重大な衝突事故や電源喪失時に見つけるのが困難になる恐れがあるという。テスラはSAMRに対し、レバーの位置を識別するための警告ラベルを無料で貼り付けると説明している。
ドライバーの視線監視に不備、約274万台をソフトウェア更新
またこれとは別で、SAMRはテスラに対し、2019年3月から2025年12月までに製造された中国製のモデル3およびモデルYの274万台に対してもリコールを命じた。これは、ドライバーに前方から目をそらさないよう警告するドライバー監視システムが作動しない不具合を受けたものだ。テスラは、この不具合を修正するためにワイヤレスでのソフトウェア更新を実施するとしている。
米国内では2026年に5件、直近はヘッドライトで2万349台
テスラが今年に入ってから米国で実施したリコールはわずか5件にとどまる。ヘッドライトが明るすぎるとして今年8月上旬に発表された2万台のリコールなどがその例だ。また今年5月には、リアカメラの問題で21万8000台以上のモデル3、モデルY、モデルS、モデルXがリコールされている。
米当局の圧力は長期化、サスペンション調査は120万台が対象
イーロン・マスク率いる同社は何年にもわたって米規制当局からの持続的な圧力に直面しているが、テスラのリコールの多くはソフトウェアの更新によって解決されている。一方で米運輸省道路交通安全局(NHTSA)は、「車両の方向制御を失う」可能性のあるサスペンションの不具合が報告されたことを受け、現在120万台のテスラ車を調査中だと報じられた。さらに、テスラの自動運転支援システム「オートパイロット」はこれまでに数百件の衝突事故と数十人の死亡事故に関連していると指摘されている。



