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2026.09.07 10:30

TikTok、違法薬物広告が相次ぐ──密売業者の出稿から広告収入を獲得

Ascannio - stock.adobe.com

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中国企業バイトダンス(ByteDance)傘下のSNS「TikTok」には、違法薬物や処方薬の販売を促す広告が大量に流れ込んでいる。対象には鎮痛薬コデイン、抗不安薬などに使われるベンゾジアゼピン系薬、注意欠陥/多動性障害(ADHD)の治療薬アデロールなどが含まれる。

TikTokで違法薬物・処方薬広告、21アカウントを確認

2026年7月、TikTokは薬物摘発の証拠映像としてそのまま使えそうな広告を配信した。映像では、手が白い錠剤入りのボトルをカメラに向けて振り、シャーデーが「イズ・イット・ア・クライム」で「これは犯罪?」と滑らかに歌う声が流れていた。

ボトルのラベルは隠されていたが、錠剤にはパーコセット(Percocet)を示す刻印があった。パーコセットは、オキシコドンを含むオピオイド系鎮痛薬だ。オピオイドとは、モルヒネやオキシコドンなど、強い痛みの治療に使われる鎮痛薬を含む薬物群を指す。

同じアカウントの別動画は、注意欠陥/多動性障害(ADHD)の治療薬ビバンセを宣伝していた。別の映像では、ごみ袋の中にアヘン、コデインを含む製剤、抗不安薬ザナックスなど、法律で流通や処方が規制される薬物・医薬品の箱が詰め込まれていた。米国では、こうした規制薬物を乱用や依存の危険性などに応じて区分している。アヘンはスケジュールII、一定量のコデインを含む製剤はスケジュールIII、ザナックスはスケジュールIVに分類される。

27本の広告を配信、コカインや大麻の宣伝も相次ぐ

同じTikTokアカウントは2026年7月、「健康・ウェルネス」に関心があるとTikTokが分類した利用者を狙い、違法薬物や流通・処方が規制される医薬品を宣伝する同種の広告を27本配信した。配信先は主にドイツ、オランダ、アイルランドだった。3カ国では、こうした医薬品を処方箋なしで販売することは違法だ。

2026年8月21日までの約1カ月間、TikTokにはコカイン、メタンフェタミン、大麻など、違法に流通する薬物を売り込む広告が相次いだ。アデロール、ザナックス、抗不安薬バリウム(Valium)など、流通や処方が規制される医薬品も宣伝されていた。

偽GLP-1減量薬や模造品も、TikTokで広告

薬物以外でも、TikTokでは闇市場の商品を売り込む広告が活況を呈している。売り手は、食欲の調節などに関わるホルモンGLP-1の働きを利用した減量薬の偽造品や、中国で作られた実験段階のペプチドを宣伝している。ペプチドとは、複数のアミノ酸が連結した化合物だ。偽ブランドの高級バッグやスニーカーも並んでいる。

TikTokは、違法薬物、流通や処方が規制される薬物、薬物を使用するための器具の宣伝や販売を禁止している。2026年8月21日までの2週間、Forbesが運用するTikTokアカウントには、コカインやザナックスなどを売り込む21アカウントの広告が表示された。

広告主ScarfaceWorldwide、テレグラムでコカイン販売

広告主の1つがScarfaceWorldwideだ。ハリウッドのギャング映画『スカーフェイス』にちなむ名前で、英国、ドイツ、オランダの利用者向けに広告を購入していた。対象には、「教育」「赤ちゃん」「ショッピング」などに関心があるとTikTokが分類した利用者が含まれた。

ScarfaceWorldwideの固定表示動画には、「Coke」と書かれた圧縮された白い粉末の塊が映っていた。雪の結晶の絵から携帯電話の絵文字へ向かって矢印が伸びている。

プロフィール欄にはメッセージサービステレグラム(テレグラム)へのリンクがあり、テレグラム上のメニューでは最大1キロのコカインを販売していた。同アカウントはオキシコンチン(OxyContin)などの規制対象医薬品や大麻も販売し、暗号資産で支払いを受け付けていた。

全米50州への発送を掲げ、家具箱に薬物を隠す

TikTokが公開する広告情報では、米国利用者へ配信された広告を確認できない。それでもScarfaceWorldwideの記載から、一部の売り手が米国利用者も狙っていることがうかがえる。

プロフィールには「2018年設立|認可済み流通業者|全50州+海外へ発送。テレグラムメニューはDMで」と書かれている。DMとは、他の利用者と非公開でやり取りするダイレクトメッセージを指す。

同アカウントの複数動画には梱包された大麻の束が映り、画面には「Biggest in Cali(カリフォルニア最大)」「Biggest in LA(ロサンゼルス最大)」「Trap101」と表示されていた。「trapping」は薬物売買を意味する俗語だ。

ScarfaceWorldwideは、家具用の箱に薬物を隠して全米50州へ発送すると説明している。

Forbesの指摘後に大半を停止、新たな薬物広告は継続

ForbesがTikTokにコメントを求めると、TikTokはForbesが指摘した広告主とページの大半を停止した。多くのアカウントは2026年8月17日以降の週前半まで、違法薬物や規制対象医薬品について投稿し、広告を配信していた。

2026年8月21日時点でも、TikTokには別のアカウントによる薬物広告が表示され続けている。

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