S&P500種株価指数にとって、9月は歴史的に最も成績の悪い月だ。調査会社CFRAのデータでは、2月と9月を除くすべての月が平均でプラスのリターンを残している。夏の最後を締めるこの9月に、大型株で構成される同指数は平均0.6%下げてきた。
1カ月の下げが起きる可能性があるからといって、投資戦略や資産配分の目標を変える必要はない。ただ、自分の狙いに合った質の高い銘柄を買う機会は生まれるかもしれない。金融市場の先行きについては、2026年後半を扱った株式市場の見通しも参照してほしい。
ここでは、9月に一時的な下げ、いわゆる押し目が来た場合に備えて見ておきたい優良銘柄に絞った。いずれも健全な財務体質を持ち、事業運営が効率的で、キャッシュフローを生み、株価水準も妥当な範囲にある。派手さはない。それでも、良い値段で手に入れられるなら、保有資産に長期の安定をもたらしうる。
投下資本利益率15%超など、6つの条件で候補を絞る
高い財務リスクを抱えずに実際のリターンを生んでいる企業を特定するため、S&P500採用銘柄を対象に以下の条件でスクリーニングを行った。
・投下資本利益率(ROIC)が15%超:ROICは、投じた資本をどれだけ利益に変えられているかを測る。計算式は、税引き後営業利益÷投下資本(有利子負債+株主資本-現金)
・負債資本倍率(D/Eレシオ)が1倍以下:借入金を株主資本に対してどれだけ使っているかを示す。数値が大きいほど負債が多く、利益も損失も膨らみやすい。計算式は、負債合計÷資本合計
・増収が5年以上継続:売上高が伸び続けていれば、1株当たり利益(EPS)の持続的な成長を支えられる
・フリーキャッシュフロー・マージンが10%以上:フリーキャッシュフロー(FCF)は、営業費用と設備投資を支払った後に手元へ残る現金を指す。FCFマージンは、売上高のうち何%が手元に残る現金へ変わったかを示す。計算式は、フリーキャッシュフロー÷売上高×100
・株価フリーキャッシュフロー倍率(P/FCFレシオ)が25倍以下:投資家がフリーキャッシュ1ドル(159円)分に対していくら払っているかを表す。25倍を超えていれば、高い成長期待に対して投資家が割高な代金を払っていることを示し、値動きが荒くなりやすい。計算式は、時価総額÷年間フリーキャッシュフロー
・アナリストの平均評価が「買い」または「強い買い」:銘柄を担当するアナリストは、おおむねその業界の専門家である。彼らの見方を取り入れることで、長期的な事業の土台を揺るがしかねない直近の悪材料を抱えた企業を除きやすくなる
2026年9月に検討したい注目の9銘柄
これらの水準をすべて満たす企業のうち、時価総額が大きい順に以下の9社を紹介する(1ドル=159円換算)。
プロクター・アンド・ギャンブル(ティッカー:PG) ○時価総額:3660億ドル(約58.19兆円) ○事業:生活必需品
ウーバー(UBER) ○1551億ドル(約24.66兆円) ○輸送サービス
エアビーアンドビー(ABNB) ○1085億ドル(約17.25兆円) ○旅行サービス
アクセンチュア(ACN) ○1083億ドル(約17.22兆円) ○情報技術
インテュイット(INTU) ○945億ドル(約15.03兆円) ○ソフトウェア
オールステート(ALL) ○661億ドル(約10.51兆円) ○損害保険
オートデスク(ADSK) ○531億ドル(約8.44兆円) ○ソフトウェア
ヴィーヴァ・システムズ(VEEV) ○396億ドル(約6.3兆円) ○医療情報システム
デックスコム(DXCM) ○339億ドル(約5.39兆円) ○医療機器
以下に各企業の概要を解説する。各指標は企業報告書およびStockAnalysis.comを情報源としている。なお、筆者はプロクター・アンド・ギャンブルの株主で、長く保有している。
その他の投資アイデアについては、2026年の有望インデックスファンドや、検討したい配当株を参照してほしい。



