しかし、マスクはAIが仕事を大きく変え始める前の期間である2020年から2023年の結果を切り分け、そのデータを用いてリモートワークが若手プロフェッショナルに与える影響を分析した。
その結果、リモートワークが可能な職種では、給与や初任給が約2%低下するものの、転職によってその影響は軽減されることがわかった。筆者は彼の発見についてさらに深く掘り下げたいと考え、話を聞いた。以下はそのやり取りの一部だ。
「私が本当に懸念しているのは、キャリアを始めたばかりの人たちです」とマスクは語った。これは、ギャラップの報告でZ世代が不安に感じているとされたこととまさに重なる。「より多くのリモート勤務を引き受けること、あるいは100%リモートになり得るような役割を担うことについて、私は研修の格差、社会化の格差を懸念しています。最初の数年で学ぶことはたくさんありますが、学生たちはそれを逃しているのではないかと心配しています。何よりも社会化の面です。そう言う理由の一部は、AIがタスクを自動化するうえで何かをするのだとすれば、それは人と人とのやりとりを伴わない仕事になるからです」
そこで筆者はマスクに尋ねた。「次世代の人材パイプラインを守るために、雇用主は今、求人をつくる際に何を念頭に置くべきでしょうか」
リモート採用の前に雇用主が今考えるべきこと
「まず認識すべきなのは、パイプラインが必要だということです」と、マスクは皮肉混じりの笑みを浮かべて答えた。「以前、私はリクルーターをしていました。それが労働経済学に進むきっかけだったと思います。この世界にはとても詳しいです。5年ほどやっていました。
「そう、人を見つけるのは難しい。AIを見て『自分のビジネス全体を置き換えられる』などと考えてはいけません。そんなことは起こりません。しっかりとパイプラインを構築すべきです」
マスクはまた、優秀な人材を引きつけるため、あるいは何らかの理由で完全リモートで採用する必要がある雇用主に向けた助言や提案も示した。
「その場合は、その種の役割に向けてパイプラインをどのように構築するかに注意を払う必要があります。そして、社会化の要素を求めるのであれば、必ずしもオフィスに来ることではなくても、従業員が同じ部屋に集まる何らかの機会を含める必要があると思います。たとえばリトリートのようなものです。それは従業員文化のためだけではなく、新しく入る人たちのためでもあります」


