Forbes JAPAN 2026年10月号は、「世界を変える30歳未満」30人特集。30歳未満の次世代をけん引する若い才能に光を当てるアワードで、米『Forbes』が2011年より開催し、『Forbes JAPAN』でも18年から8年間で総計330人を選出してきた。
今年も4つのカテゴリから30人の受賞者を選出。SCIENCE&TECHNOLOGY部門で選出されたのがSparkPlus 代表取締役CEOの本田純平だ。
「日本企業には、世界で戦える暗黙知が数多く眠っている。AI実装革命は自分たちが先導したい」。こう語る本田は、属人化した熟練者の技をAIに落とし込み、「組織知」へと変える事業を展開するSparkPlusを2024年に立ち上げた。
きっかけは高校時代に遡る。経済的な理由で高校進学を断念しかけたが、奨学金を得て、世界84カ国の生徒が学ぶ軽井沢の国際高校へ。東大進学後は松尾豊教授監修の実習で製造企業の従業員にヒアリングを行い、生産工程の可視化アプリを開発した。「従業員との会話が増え、ピリピリしていた現場が楽しげになった」。
主力のAIソリューション事業は、いわばオーダーメイドAIだ。取引件数は100件を超え、顧客には三菱重工や豊田自動織機など大手が並ぶ。大手地域金融グループのコールセンターでは数億円の外注費を3分の1に圧縮する音声対話AIを開発。過去の設計知見を読み解くAIエージェントは、熟練者が丸一日以上かけていた設計レビュー業務の工数を95%削減。社内データを横断して回答するAIエージェント「ORION」も展開する。初年度から黒字化し、創業2年目で売り上げは前年比4倍に急成長した。
「ORION」は、すでに日米中タイの4カ国で提供され、ここ数年での上場も視野に入れる。目指すのは、世界のAI技術を日本に取り込み、日本の産業データと織り合わせたAIを海外へ再輸出する循環モデルだ。「奨学金で開かれた人生の恩返しとして、日本の産業の発展につなげたい」。本田は実装革命の先頭に立つ。
ほんだ・じゅんぺい◎2003年生まれ。総額約1,370万円の奨学金を得て、軽井沢の全寮制国際高校ユナイテッド・ワールド・カレッジ ISAKジャパンへ。東京大学工学部進学後、24年にSparkPlusを設立。AI活用の設計から開発、運用までを行い業務効率化をサポートする。
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