Forbes JAPAN 2026年10月号は、日本発「世界を変える30歳未満」30人「30 UNDER 30」を特集。
30歳未満の次世代をけん引する若い才能に光を当てるアワードで、米『Forbes』が11年より開催し、世界的に注力している企画だ。『Forbes JAPAN』でも18年から8年間で総計330人を選出してきた。今年の受賞者も、AI革命の真っただなかで先頭に立ち、想像力、知性、そして並外れたグリット(やり抜く力)をもって、「自分が思うより良い未来」を目指す30人。彼ら彼女らがつくる「 新しい社会、新しい経済」から見えてくるものこそが、日本の未来の希望になるーー。
今年の「30 UNDER 30」受賞者のひとりが、「ベビー・シッターズ・クラブ」でアジア系のステレオタイプを壊した玉田百々渚。Z世代・α世代のロールモデルとしてハリウッドのダイバーシティ新時代の先頭に立つ。
エネルギッシュでありながら繊細さと芯の強さを併せもつ表現で、アジア系のイメージを更新した次世代スター。2020年から2シーズン配信されたNetflixドラマ「ベビー・シッターズ・クラブ」で世界的な注目を集め、エミー賞にノミネートされた日系カナダ人俳優の玉田百々渚だ。
自分に厳しく最後までやり抜くまじめさと、4歳からのダンスで磨いた「現場の意図を即座に体現する力」が大きな強みだという。24年にはNetflixドラマ「アバター:伝説の少年アン」に加え、TVシリーズ「スパイダーウィックの謎」で主要キャストに選ばれた。25年もサスペンスドラマ「ハッピーフェイス」で準レギュラーを務め、ハリウッドでの存在感を着実に高めている。
「ベビー・シッターズ・クラブ」で彼女が演じたクラウディア・キシは、米国メディアにありがちな「地味で目立たない」というアジア人の固定観念を、「自分らしく輝く、自由でクールな女の子」という新しいイメージに鮮やかに塗り替えた。玉田は「アジア人の枠を破り、少女たちのロールモデルになれたことがとてもうれしい」と照れくさそうに語る。
さらに、俳優として深く向き合っているのが、若者のメンタルヘルスだ。「多くの人が誰にも言えずに苦しんでいます。演技はアート。言葉では伝えられない方法で、人の心に深く語りかけることができるのが演技の力です」
自身もかつて不安を抱えてきた経験者だ。だからこそ、悩みや葛藤を抱える役を自ら演じることで「あなたは一人ではない」というメッセージを届け、社会に対話が生まれるきっかけをつくりたいと語る。
これから20代を迎える彼女が描く未来は広い。挑戦してみたいのは特技のダンスを生かせるスタントの多いアクション映画や日本での撮影だという。
「失敗を恐れず挑戦し、新しい経験から学ぶ。成長し続けるプロセスそのものが私にとっての成功です」
泥くさく練習を重ね、貪欲に学び続ける姿勢でハリウッドという巨大な壁に挑んできた彼女は、今日も新しい自分へと進化を続けている。
たまだ・ももな◎2006年、バンクーバー生まれの日系カナダ人俳優。4歳からのダンスを経て俳優へ転身。Netflixドラマ「ベビー・シッターズ・クラブ」と、声優を務めたアニメ『ONI~ 神々山のおなり』の主要2作でエミー賞ノミネートを獲得した。
ドレス/Alessandra Rich、アクセサリー/Anita Ko




