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食&酒

2026.09.04 17:45

HYDEが巨匠らを束ね、セッションしたワイン。カリスマと職人性の「組曲」はどう鳴るか

ミュージシャン HYDE プロデュースのワイン

3gのドサージュと魔法の数パーセント。緻密なるプロダクト設計

完成したワインのポートフォリオを見ると、単なる話題性にとどまらない、明確なガストロノミーへの志向が読み取れる。

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シャンパーニュシリーズの「エクストラ・ブリュット by パルメ」は、48ヶ月という長期瓶内熟成を経てリリースされる。特筆すべきは、ドサージュ(糖分添加量)を3g/Lと極限まで抑えた点だ。これはパルメのレギュラーラインナップには存在しない特別仕様。「3g/Lが最後の決め手だった。これがあるかないかで全く味が変わる」とHYDE氏が語るとおり、味覚的な甘さを削ぎ落とすことで、和食やファインダイニングの繊細な出汁の旨味にも寄り添う、研ぎ澄まされた骨格を生み出している。

業界関係者など100名以上※要確認が集った華やかなお披露目会
業界関係者など100名以上 が集った華やかなお披露目会

カリフォルニアの白ワインも秀逸だ。HYDE氏が日常的に好むソーヴィニヨン・ブランは、冷涼なメンドシーノ産の鮮やかな柑橘香と、温暖なローダイ産のトロピカルなふくよかさを掛け合わせ、単一産地では成し得ない「調和」を実現。シャルドネは、新樽比率を20%に意図的に抑えることで、樽香の化粧でごまかさない、ブドウ本来のピュアでエレガントな爽やかさを引き出している。

カリフォルニアシリーズの赤ワインのポートフォリオにも、緻密な計算が光る。ミドルレンジの「ナパ・ヴァレー カベルネ・ソーヴィニヨン」には、バロン氏がかつてシャトー・マルゴーでその真価を見出したという品種、プティ・ヴェルドがわずか2%だけブレンドされている。力強いカベルネの骨格に、スミレのような華やかな香りとジビエを思わせるエキゾチックなニュアンスをスパイスのように与え、味わいを劇的に花開かせる隠し味だ。

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そして、その魔法を経た先に待つのが、最高峰「オークヴィル ナパ・ヴァレー カベルネ・ソーヴィニヨン」である。グラスを静かに回すと、桑の実など野生の黒果実を思わせるアロマの奥から、腐葉土のような、森を思わせる複雑な香りがふわりと立ち上る。

HYDE氏自身は「食後のチョコレートなどデザートに合わせる」と普段の楽しみ方を語る一方で、このワインは食事に寄り添うフードフレンドリーな一面も併せ持つ。輸入元の都光・戸塚尚孝社長は「香ばしい太刀魚のソテーに見事に調和した。カリフォルニアの赤が魚に合わせられるなんて!」と驚きを隠さない。複雑にレイヤーが重なり合う美しい楽曲のように、飲む者の五感を絡め取り、多様な食のシーンを彩るポテンシャルを秘めている。

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写真=田中明子

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