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2026.09.03 11:00

番組から購買までをデザインする 花王とAmazon Adsが描く、新時代のブランド体験

7月31日よりPrime Videoで配信が始まった「BEAUTY BATTLE ROYALE」が話題を集めている。

この番組でメインスポンサーの1社を務める花王が注目したのは、番組そのものの話題性だけではない。Amazon Adsが提供する「フルファネル」のマーケティングソリューションに大きな可能性を見いだしたという。花王はなぜ、このプロジェクトへの協賛を決めたのか。そして、エンターテインメントと広告を組み合わせた新たなマーケティングに何を期待しているのか。花王 グローバルコンシューマーケア部門化粧品EC推進部 マネジャーの田中裕治に、その狙いを聞いた。


「これからの人生を変える素晴らしいきっかけ、タイミング。命を懸けて挑むべきことだと思います。これから考えるメイクアップ、それは皆様自身の人生。その人生を最大限に引き出して、演出していただきたい」

チェアマンを務める美のカリスマ、小田切ヒロがそう宣言すると、戦いの火蓋は切って落とされた。

その戦いとは、Prime Videoで配信中のメイクアップバトル番組「BEAUTY BATTLE ROYALE」だ。予選を勝ち抜いた日本と韓国の20名の若きメイクアップアーティストが己のプライドと人生をかけて、競い合う。それぞれが思いや感情をむき出しにし、戦いと共に成長していく。これは、メイクアップを通じた人間ドラマだ。

中島健人がメインMC、本田翼がスタジオMCを務めるこの大型番組のメインスポンサーの1社が花王だ。同社の化粧品ブランドを代表するKATE、KANEBO、LUNASOL、SOFINA iPが、メイクアップアーティストたちの想像力や感性を最大限に引き出す。

2026年7月31日からAmazon Prime Videoで独占配信している「BEAUTY BATTLE ROYALE」/©2026 CONDÉ NAST JAPAN. ALL RIGHTS RESERVED.
2026年7月31日からAmazon Prime Videoで独占配信している「BEAUTY BATTLE ROYALE」/©2026 CONDÉ NAST JAPAN. ALL RIGHTS RESERVED.

アーティストの言葉でブランド価値を伝える

なぜ花王はこの番組への協賛をいち早く決断したのか。今回の企画には3つの意義があると、花王 グローバルコンシューマーケア部門化粧品EC推進部マネジャーの田中裕治は言う。1点目は、それぞれのブランドがもつ「思想(パーパス)」の伝達だ。

「花王のブランドは、それぞれ立ち上げたときから『誰のためのブランドなのか』『どんな価値を提供したいのか』という思想をもっています。表現方法は時代によって変わっても、その原点は変わりません。KATEであれば『NO MORE RULES.』を掲げ、既成概念にとらわれない挑戦と、個人の個性を尊重する表現を応援する。KANEBOであれば『I HOPE.』のもと、メイクを通じて自己表現の可能性を押し広げ、個々の希望を後押しする。こうしたブランドごとのパーパスを、番組を通じて第三者であるアーティストの言葉から伝えてもらえる点に、大きな価値を感じました」

ただし商品訴求を前面に出すのではなく、あくまでも主役はアーティストだと田中は強調する。

「番組づくりの段階からAmazon Adsにお伝えしていたのは、『まず番組として面白いこと』が何よりも重要だということです。スポンサーである私たちとしては、商品を紹介したい。しかし、商品の宣伝ばかりになってしまえば、視聴者が楽しめなくなってしまいます。主役はあくまでもアーティストであり、アーティストの皆さんが存分に輝き、その挑戦や表現を視聴者に楽しんでもらう。商品は、アーティストの魅力や創造性を引き立てるサポート役でありたいと考えていました」

その一方で商品そのものへの理解を深めるために、Amazon Adsの提案により、2本のスピンオフが制作された。全6話の本編とは別に、出演したアーティストと花王のアーティストが本編に登場した商品について掘り下げている。

2点目の意義は、社会的トレンドとの適合性だ。

「今の消費者は、完成された美しさだけでなく、メイクを通して自分自身と向き合う過程に価値を感じています。番組が見せるリアルなメイクプロセスは、視聴者に『私もなりたい』『躊躇しないでやってみなきゃ』といった、さまざまな感情を引き出してくれると考えました」

世界的な美容トレンドのひとつに、K-Beautyの台頭がある。田中には、J-Beautyを盛り上げていきたいという思いもあるという。「日本のブランドも、もっと自分たちの魅力を発信していく必要があります。この番組が、そのひとつのきっかけになればと考えています」

そして3点目が、Amazonとの共創パートナーとしての可能性だ。

「Amazonは認知メディアから獲得系メディア、そしてリテールまで一気通貫した接点をもち、さらに一連のプロセスで得られるオーディエンスインサイトの分析から、お客様の態度変容の要素が見えてくる。それは、次の一手への示唆にもつながると考えています」

こうして協賛することを決めた番組の撮影には、田中も立ち会った。特に印象的だったのは、あるアーティストがその商品をなぜ使用したかを聞かれた際に、ブランドのおもいを理由として語ってくれたことだという。

「メーカー側が一方的に思いを伝えても、どうしても独りよがりになってしまいます。第三者であるアーティストの口から語られることで、伝わり方も信憑性もまったく違ってきます。あのシーンが生まれたことは、本当に嬉しかったですね」

田中裕治 花王 グローバルコンシューマーケア部門化粧品EC推進部 マネジャー
田中裕治 花王 グローバルコンシューマーケア部門化粧品EC推進部 マネジャー

また、メーカーの発想にはない、意外な発見もあったという。

「ただ、アーティストの方々は、私たちが想定している使い方を超えた表現をしてくださる。そのことが、商品そのものの可能性を大きく広げてくれると思っています。例えばKATEのコンシーラーを、涙のしずくのように見せる演出がありました。気になる箇所を隠すためのコンシーラーをそのように使うのは表現として非常に面白く、新しく可能性を広げてくれました」

こうしたアーティストの斬新な手法は、SNSでも話題になっている。田中は、こうした盛り上がりを一過性で終わらせるつもりはない。

「番組から生まれた新たな価値や可能性を次の展開につなげていきたいですね」

Amazon内にバーチャルオンラインストアを開設

オーディエンスが商品やサービスを知ってから購入に至るまでのプロセスを表す「マーケティングファネル」において、この番組は、認知・共感を担うファネル上部の役割を担ったが、下部まで一貫したサービスを提供できるのがAmazon Adsの強みだ。

そのファネル下部の施策として、花王はAmazon内にバーチャルオンラインストア「KATE Virtual Store」と「KANEBO HOPE SELECT」を開設した。それぞれの世界観に沿ったランディングページ(LP)を制作し、商品を並べるだけの売り場から、ブランドの世界観を体験できる場への進化を目指した。

仮画像/Amazon.co.jpに開設しているKATE Virtual Store
Amazon.co.jpに開設しているKATE Virtual Store

「Amazonは、数クリックで購入まで完結できる非常に優れた購買体験を提供しています。一方で、そのスピード感だけでは、ブランドが持つ情緒的価値や想いまでは伝えきれません。だからこそ、ブランドの世界観を体験しながら選べる空間も必要だと考えました。化粧品は便利に購入できることが重要ですが、選ぶ楽しさやワクワク感も同じくらい大切だと思っています。

早速、その成果は現れ始めています。KATEでは5月の公開後、LP訪問者のブランド指名検索率が未訪問者の約2倍となり、継続的に購入した消費者の売上構成比も向上しました」

複雑化するカスタマージャーニーを、シームレスにつなぐ

消費者のカスタマージャーニーは非常に複雑になっており、認知から購買までの境界線が曖昧になっている。

実店舗やオンラインストア、Prime Video、SNSなど、さまざまな接点の間を行き来しているのが実情だ。そうしたなか、今回の花王の取り組みは、このカスタマージャーニーの境界線をスムーズにつなぐことに成功した。日本のマーケティング業界を牽引してきた企業のひとつとして、花王は、ブランドの世界観をそのまま消費者に届けていきたいという熱意が強いのだ。

そして、こうした一連の施策を一気通貫でサポートするのがAmazon Adsであり、効果測定ツールやソリューションにより、さまざまなサポートができることを強みとしている。それに対する田中の期待は大きい。

「Amazon Adsでは消費者の行動がインサイトとしてわかるので、お客様が立ち止まってしまうボトルネックがあるなら、それを改善していきたい。番組は途中で修正するのは難しいですが、お客様の行動を見ながら、カスタムLPでは次に何を改善すべきかという示唆が得られます。それをもとに、これからさらに中長期的にAmazon Adsと協業し、お客様の感情を揺さぶるような体験を提供していきたいと思っています」

Amazon Ads
https://advertising.amazon.com/


たなか・ゆうじ◎花王 化粧品事業部門化粧品EC推進部マネジャー。入社してから一貫して化粧品に携わり、営業、商品開発、ブランドマーケティングを経験。DX推進を経て現職。

promoted by Amazon Japan / text by Fumihiko Ohashi / photographs by Shuji Goto / edited by Akio Takashiro