ウクライナはロシアの主要な宇宙ロケット組み立て拠点のひとつを攻撃した。ロシアの軍事・宇宙作戦に詳しい米国の専門家たちによると、ウクライナはロシアの航空宇宙関連施設に対するミサイルやドローン(無人機)での攻撃を拡大している。
ウクライナの「ロケット都市」として知られ、機密性の高い宇宙機開発拠点(スカンクワークス)を擁する南東部の都市ドニプロをロシアが攻撃し始めてから4年後、ウクライナはロシアの宇宙関連施設を狙った「報復」とも言える攻撃を強化している。英キングス・カレッジ・ロンドンのキングス・インテリジェンス研究センターの研究者、エレーナ・グロスフェルドは、ウクライナはモスクワ近郊の施設を含むロシアの宇宙技術拠点群に対して航空攻撃を重ねていると話す。
拡大する「第1次宇宙戦争」の一環でウクライナは8月15日、ロシア西部の都市サマラにあるプログレス・ロケット宇宙センターを攻撃した。これはロシアの宇宙計画を大幅に遅滞させることになった可能性がある。
The Progress Rocket and Space Center in Samara is burning after today’s Ukrainian FP-5 Flamingo strike. Progress is one of Roscosmos’ key enterprises and is involved in the production of Soyuz-2 launch vehicles and related electronics. #Russia https://t.co/V25aNTlCPppic.twitter.com/vfmLFfaUqP
— NOELREPORTS 🇪🇺 🇺🇦 (@NOELreports) August 15, 2026
ロシア国営宇宙企業ロスコスモス傘下の同センターは「ソユーズ」シリーズのロケットを製造している。ソユーズは数十年にわたり、国際宇宙ステーション(ISS)に向かう宇宙カプセルや、画像を撮影する偵察衛星などの打ち上げに使われてきたロシアの主力ロケットだ。打ち上げられた衛星は世界各地にある米軍の防衛拠点を監視したり、あるいはウクライナの占領地域やその周辺で自軍部隊の展開状況を把握したりするのにも利用されている。
グロスフェルドは筆者のインタビューに答え、ウクライナによる今回のミサイル攻撃は、ロシアの最も重要な宇宙事業、とりわけ軍事目的や戦争目的に結びついた宇宙事業を狙った作戦をさらに進めたものだと説明した。
「ロシアの宇宙関連の製造施設に対する今回の攻撃は、長く続いている一連の攻撃に新たに加わったものです」とグロスフェルドは述べた。8月にはこれより前、モスクワ郊外コロリョフにあるロスコスモスの主要研究センターも攻撃を受けていたと指摘した。
彼女によると、ウクライナはこれまでにロシアの複数の宇宙通信センターも攻撃している。たとえば6月には、やはりモスクワ郊外のドゥブナにある施設が攻撃を受けた。
ロシア側による被害施設の修理・復旧は、ウクライナ侵攻を受けて西側諸国が課した広範な技術輸出制限によって支障が出る可能性がある。グロスフェルドは、ロスコスモスは宇宙機の部品や先端半導体を闇市場で探し回らざるを得なくなるだろうと言う。



