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2026.08.24 11:30

「シンギュラリティ到来」を掲げ、決済大手StripeがAI企業を約1.19兆円で買収

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本来の定義は超人的知能による人類時代の終了、決済企業の増収とは異なる

こうした言葉のすり替えには、懐疑派が以前から反論している。認知科学者のゲイリー・マーカスは7月、現在根拠として挙げられている材料は、ベンチマークの点数であれ企業の成長の加速であれ、どれ1つとしてシンギュラリティという言葉の筋の通った定義を満たしていないと論じた。ヴァーナー・ヴィンジが1993年に示したもともとの定義は、人間を超える知能が現れて人類の時代が終わる、というものである。決済処理会社の売上高が加速しているという話は、同じ言葉をまとってはいても、まったく別の主張だ。

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独自データは決済額約302兆円分、監査は経ていない

ストライプ側の反論は、他の誰にも見えていないデータが自社には見えているというものだ。同社のプラットフォームを使う企業は500万社を超え、2025年の決済処理額は34%増の1兆9000億ドル(約302兆円)に達した。コリソンは、2025年に設立された企業の集団(コホート)では、設立件数が増えているだけでなく1社あたりの業績も良くなっているとして、これを相転移と表現している。引用されにくいぶん、こちらのほうが興味深い発見だ。というのも、生まれた企業の質は、申請件数と違って人為的に作り出すのが難しいからである。とはいえ、このデータは監査を受けておらず、同社の自己申告であり、しかもAI経済が本物かどうかに自社の企業価値がかかっている会社が出したものだ。

雇用企業数は4四半期後に判明、裏付けデータは公開

鵜呑みにするのではなく、見届けるべき点が3つある。第1に、米国勢調査局の設立予測の系列を追えば、申請件数の急増が実際に人を雇う企業の誕生につながるのかどうかが、4四半期以内に見えてくる。この数字は今年、申請件数が伸び続けるあいだもほぼ横ばいのままだ。第2に、コホートの質が上がっているというストライプの主張は、同社が口頭で説明するだけでなく元データを公開して初めて検証できる。第3に、OpenRouterの買収はAIインフラの企業価値評価に新たな基準点を作った。ただしそれは、たった1社の買い手の確信にもとづく基準点にすぎない。

資金を配分する立場の人にとって、ストライプの上半期の財務数値は開示されており、具体的で、AIによって顧客基盤が広がっているという見方とも矛盾しない。一方、シンギュラリティという看板のほうは、CEOが最初は冗談めかして口にし、その後は教義にまで格上げした物語の道具である。

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(forbes.com 原文)

翻訳=酒匂寛

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