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消費経済:小売業とそれを改革する人々について執筆

Syda Productions / shutterstock

米国最大の買い物シーズンと言えるブラックフライデーの週末が終わった。リサーチ機関ShopperTrakは今年、実店舗で消費者が支払った金額は昨年から10億ドル減少したと見積もっている。その一方で売上を伸ばしたのがeコマースだった。この週末の勝者となったのは誰で、敗者は誰だったのだろう。

勝ち組

アップル
アドビの調査によるとiPad Air 2と iPad Miniはこの週末最大の売れ筋ガジェットとなった。アップル製品はターゲットやベストバイでも飛ぶように売れ、ターゲットの発表によると、感謝祭当日は1秒に1台のiPadが売れたという。

また、アップル製品が売れただけでなく、アップルの決済システムの利用も増加した。ブラックフライデー当日には9億ドル(約1100億円)以上の決済がモバイル経由で行われ、その75%がiPhone等のiOSデバイスからだったという。

アマゾン
アマゾンのタブレットAmazon Fire 7も好調な売れ行きだった。 InfoScoutのデータによると Fire 7はアマゾンのトップセラーとなっただけでなく、ベストバイでも首位に立った。現在、Fire 7は12月中旬まで入荷待ちの状態になっている。

JCペニー
デパートチェーンのJCペニーも健闘した。同社は小売大手の中で最大のディスカウント幅となる68%引きを打ち出し、競合のメイシーズ(56%引き)、Kマート(50.1%)らに値引き合戦で圧勝した。感謝祭の午後3時にセールを開始した店舗では4.99ドルのタオルや9.99ドルのセーター、さらにディズニーキャラクターをあしらったクリスマス用の飾り付けなどに客達が押し寄せた。

負け組

ウォルマート
セールス面でウォルマートは巨大な数字を打ち出した。「今年は決して品切れを起こさない」と宣言した同社は、100万台のテレビや1500万本の映画DVD、1000万着分のパジャマなどを用意してその日に望んだ。セール開始から数時間で同社は「視聴時間にして3000年分の映画を売り切った」と発表した。

しかし、店頭では客同士の小競り合いが発生したほか、ウォルマートはこれで4年連続となる、労働者からの厳しい抗議デモにさらされた。連合組織「Making Change at Walmart(ウォルマートに変化を)」は全米1千ヶ所の店舗や街頭で「最低賃金9ドルでは生活できない」とアピール。

また、ウォルマート創業者の娘で億万長者のアリス・ウォルトンが住むマンハッタンのアパート前にもデモ隊が集結。「貧困をゲームにするな」というサインを掲げ、15日間のハンガーストライキ入りを宣言した。これに対しウォルマート側は「弊社の正社員の賃金は時給13ドルを超えており、医療費補助等の福利厚生も充実させている」と弁明した。

マグニフィセントマイル
シカゴの高級ショッピング街、「マグニフィセントマイル」では全店舗が休業に追い込まれた。これは、黒人の地位向上を訴えるBlack lives matter(黒人の命だって大切だ)のデモ隊が押しかけたため。昨年、ミズーリ州で起きた白人警官による黒人少年の銃殺事件に端を発するこの運動が全米に広がる中、シカゴの活動家らはアップルやラルフ・ローレン、ヴィクトリア・シークレット等の店舗のエントランスを封鎖した。

抗議デモがどのような経済的打撃をビジネスに与えたかは不明だ。しかし、ソーシャルメディア上の存在感で言えば、Black lives matterデモに参加した人々はこの週末の勝者たちに数えられる。

翻訳編集=上田裕資

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