リーダーシップ

2026.08.21 09:38

「約束が守られなかった時」こそ、リーダーが最も成長できる絶好の機会

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あらゆる成功している組織は、ひとつのシンプルな原則に基づいて成り立っている。それは「人は自分がやると言ったことを実行する」ということだ。クライアントへの成果物の納品であれ、チームメイトへのサポートであれ、あるいは締め切りを守ることであれ、約束(コミットメント)を果たす能力こそが、成果を生み出し、組織文化を強化する。だからこそ、約束が守られないことは、リーダーにとって非常に不満の種になり得る。しかし、正しく対処すれば、それは私たちが率いる部下たちの成長を促す、最も価値のある機会のひとつにもなり得るのだ。

自身のコミュニケーションを検証する

チームのメンバーが約束を守れなかったとき、まず検証すべきは、こちらの期待値が正確に伝わり、合意が形成されていたかどうかだ。リーダーの期待があいまいで、明確に伝わっていないケースは非常に多い。相手に責任を問う前に、自問してみてほしい。自分はその期待を明確に伝えたか、そしてチームメンバーは本当にそれに同意していたか、と。

ある新しいマネージャーの元で、複数のメンバーが期待通りのパフォーマンスを発揮できず、締め切りを落としているように見える事案があった。そのマネージャーからの提案は、メンバーを入れ替えて新しいチームを雇うことだった。しかし、詳しく調査してみると、そのマネージャーはテンプレートやタイミングに関して独自のこだわり(期待)を抱いていたものの、それを明確に伝えていなかったことが判明した。それらが明確に提示されると、チーム全体がすぐに本来の軌道に戻ったのである。

心の中にある明文化されていない期待を、はっきりと表明された正式な合意へと変えることが極めて重要である。強力なコミットメントを築くための鍵は以下の通りだ。

• 何を、いつまでに終わらせる必要があるのかを具体的にする。

• その合意に双方が同意していることを確認する。

• その約束を文書として記録する。

合意や約束を交わすことで、メンバーに責任感(当事者意識)を持たせ、成長を促すことができる。そして、望む成果を達成できる可能性も高まるのだ。

破られた約束への対処法

しかし、約束が破られたとき、私たちはそれを対話と協働の機会として活用しなければならない。誰かが約束を守れなかったときにリーダーがやってしまう最悪の行動は、それを見て見ぬふりをして何もしないことだ。約束が守られなかったことについて交わす重要な対話は、「組織の文化は、各自がやると言ったことを実行することにかかっている」という認識を再確認させてくれる。健全な組織文化とは、お互いに対して表明した期待に基づいて合意を形成する文化である。その反面、有害な組織文化とは、お互いのパフォーマンス不足に対して失望し、不満を募らせるだけの文化である。

約束の不履行について話し合う際は、まずその代償(コスト)を説明することから始めよう。約束が守られないことは、信頼を損ない、チーム全体のパフォーマンスを低下させる。これは、クライアントや顧客の失望、将来の案件の機会損失、収益性の低下、予算削減、さらには人員削減にまでつながる恐れがある。

次に、約束が守られないことがいかに不確実性を生み出し、精神的エネルギーを消耗させるかを説明する。誰かが何度も約束を果たせないでいると、その人が将来、言ったことを実行してくれるだろうかと疑念を抱くようになる。一方で、信頼関係があれば、期日通りに、想定された方法で物事が完了すると確信できるため、精神的に非常に安定する。

そこから、約束が守られなかった理由の解明に焦点を当てる。合意内容が不明確だったケースもあれば、期待値が非現実的だったケースもある。あるいは、メンバーの成功に必要なトレーニング、リソース、ツールをリーダー側が十分に提供できていなかったのかもしれない。こうした対話を通じて、私たちはチームをより良く率い、成功へと導く方法を学ぶことができる。

これらの対話は、アカウンタビリティ(説明責任)と成長を促すための「困難な対話」をリーダーに要求するため、リーダーシップそのものを強化することにもなる。約束を守れなかったとき、私たちはそのプロセスから学び、成長し、次は守れる新たな約束を交わさなければならない。

早期の報告を促す

また、チームメンバーに対して、早期にコミュニケーションを取るよう促すことも必要だ。約束を守れないと気づいた時点で、すぐに周囲に知らせ、即座に問題解決に取り組み始めるべきである。沈黙を貫くよりも、早期に状況を伝える方が、はるかに信頼を損なわずに済む。

障害を明らかにする

果たされなかった約束が、他の優先事項との競合によるものかどうかも探る価値がある。何度も約束が守られないパターンは、その人が本当に「何にコミットしているか」を浮き彫りにすることが多い。「この目標の達成を阻んでいる、他に取り組んでいる仕事(コミットメント)は何ですか?」と問いかけることで、対処すべき障害を明らかにできる。

別の事例で、仕事が遅れがちで苦戦しているチームメンバーがいた。育成のための面談(対話)を進める中で、彼女には家庭内の外せない用事があり、特定の日の午後に必要なサポートを確保できないため、平日の時間が削られていることが分かった。業務の全量をこなせる状態ではなかったため、私たちは彼女の仕事量とスケジュールを調整し、勤務時間を短縮した。数カ月後に状況が解決すると、彼女はフルタイムの勤務に戻ることができた。

パフォーマンスの低さや約束の不履行を大目に見ることは、相手のためにはならない。真実を伝えることこそが「親切」であり、明確に示すことこそが「思いやり」なのだ。約束に対する責任を課すことで、私たちは彼らが信頼され、頼りにされるチームメンバーへと成長するのを後押しできる。

組織が成功するのは、約束の不履行を避けているからではない。リーダーがその問題に、誠実さ、明確さ、そして思いやりを持って向き合っているからだ。リーダーが明確な合意を形成し、共感を持って相手の責任を問うとき、信頼を獲得し、常に並外れた成果を達成するチームを構築しやすくなる。そして最終的には、約束を守ることが例外ではなく「当たり前」となる組織文化を築くことができるのだ。

forbes.com 原文

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