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2026.08.21 09:34

AI特化ヘッジファンドの崩壊寸前劇が示す、投資における「正しさ」の限界

stock.adobe.com

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投資家は、自分の仮説が正しいと証明されれば、最終的には市場が報いてくれると信じがちだ。しかし、必ずしもそうとは限らない。特に、そのアイデアが実を結ぶまで市場にとどまり続けることができない場合はなおさらだ。

これこそが、元OpenAIの研究者であるレオポルド・アッシェンブレナーが設立したAI特化型ヘッジファンド「シチュエーショナル・アウェアネス(Situational Awareness)」の、劇的な躍進と崩壊寸前の危機から得られる教訓である。

アッシェンブレナーのファンドは、人工知能を支えるために必要な半導体、エネルギー、データセンターインフラを提供する企業に大きく投資した。しばらくの間、この戦略はきわめてうまく機能した。

しかし、半導体をはじめとするAI関連銘柄が急落した。ファンドの損失は膨らみ、レバレッジが裏目に出て、マージンコール(追加保証金請求)によって公開取引されているポートフォリオの大部分を売却せざるを得なくなった。報道によると、シチュエーショナル・アウェアネスは7月に67%下落し、アッシェンブレナーが「永続的な資本毀損」と呼ぶ状態の寸前まで追い込まれた。

その後、これらの銘柄の一部は反発しており、大局的なテーゼは時間をかければ正しさが証明されるかもしれない。だからこそ、この話は示唆に富む。

シチュエーショナル・アウェアネスが破滅の危機に瀕した原因は、AIに対する同ファンドの見解とは無関係だった。そうではなく、ポートフォリオが過度に集中し、レバレッジをかけすぎており、突然の下落に対してあまりにも脆弱だったために破綻寸前となったのだ。

実際、マージンコールは投資家の調査がどれほど優れているか、あるいは株価がいずれ回復するかどうかを考慮しない。投資家自身のスケジュールではなく、貸し手のスケジュールで行動することを強いるのだ。

レバレッジはリターンを拡大し、市場が味方しているときには成功した戦略を見事なものに見せる。しかし同時に、投資家が逆境を吸収する力、あるいは同じくらい重要なこととして、その逆境を好機として活用する力を弱める。

こうしたリスクにもかかわらず、市場全体でレバレッジの存在感は増し続けている。FINRAによると、顧客の信用取引債務は2026年6月に1兆5000億ドル(約239兆円)に達し、前年の1兆100億ドル(約161兆円)から約49%増加した。信用借り入れは3月の1兆2200億ドル(約194兆円)からも急増した。

公平を期せば、この増加の一部は株価上昇によるものであり、投資家は保有資産を担保により多く借り入れられるようになっている。それでも、この急速な伸びは、投資家が市場エクスポージャーを高めるために、より積極的に債務を活用していることを示している。

それは個人投資家、特に若年層にも当てはまる。FINRAの調査によれば、35歳未満の投資家の22%が信用取引で証券を購入した経験があり、43%がオプション取引を行っていた。約3分の2が、財務目標を達成するためには大きなリスクを取る必要があると感じていると答えた。

これらの結果は、若い投資家全員が無謀にレバレッジをかけていることを意味するのだろうか。決してそうではない。しかし、自分で投資判断を下す自己主導型投資家の少なからぬ割合が、リターンを得るためにはより大きなリスクを取ることが不可避であると考えるようになっていることを示唆している。

韓国は極めて明確な例を示している。半導体株が上昇する中、サムスン電子やSKハイニックスに連動するレバレッジ型ETFが個人投資家の強い関心を集めた。しかし、市場全体のトレンドが反転した際、120万以上のレバレッジ個人口座にマージンコールが発生した。これは、韓国の成人約30人に1人の口座に相当する規模である。

こうした金融商品は、レバレッジ型ETFの日次の値動きが毎日リセットされるため、ダメージを増幅させる可能性がある。例えば、ある銘柄の日次リターンの3倍を達成するように設計されたファンドを考えてみよう。その銘柄がある日に10%下落し、翌日に11.1%上昇した場合、株価は元に戻る。しかし、3倍レバレッジのファンドは依然として約7%下落したままだ。つまり、原資産の投資先が回復したとしても、投資家自身は回復できない可能性があるのだ。

一方で、機関投資家の間でもレバレッジ水準は高止まりしている。連邦準備制度理事会(FRB)は5月の報告書で、ヘッジファンドのレバレッジは過去最高水準近くにとどまっており、比較的少数の大手ファンドに集中していると指摘した。同時に、米国のオプション取引は記録を更新し続けており、個別株や特定セクターへのエクスポージャーの最大化を狙う投資家から、レバレッジETFへ数十億ドルが流入している

もちろん、こうした行動のすべてが無謀なわけではない。経験豊富な投資家は、特定の銘柄に集中したポジションをヘッジするためにオプションを利用することが多く、多くの機関投資家も、単に高いリターンを追い求めるのではなく、あらかじめ定義されたリスク限界の範囲内でレバレッジを利用している。

それでも、このメッセージは無視しがたい。信用取引、オプション、レバレッジ型ファンドを通じて、自らの資力が本来支えられる以上のエクスポージャーを求める投資家が増えているのだ。

その追加のエクスポージャーは、市場が好調なときにはリターンを押し上げることができる。しかし、市場が逆行したときには、莫大な損失をもたらす。

投資家は、あらゆる調整局面や、期待外れの決算、センチメントの突然の変化を避けることはできない。しかし、そうした出来事がもたらすダメージをコントロールすることは可能だ。

これこそが、シチュエーショナル・アウェアネスが極めて鮮明に示した教訓である。優れたアイデアであっても、「時期尚早」から「正解」に至るまでの期間をポートフォリオが耐え抜くことができなければ、悲惨な投資結果になり得るのだ。

forbes.com 原文

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