コロナ禍を機に急速に広がったテレワークだが、ここ数年、企業では「出社回帰」の動きが進んでいる。しかしテレワークが定着した働く人にとって、テレワーク制度の制限や廃止は働き方そのものを見直すきっかけにもなっているようだ。
学研ホールディングスのグループ会社、株式会社ベンドが運営するWEBメディア『スキルアップ研究所』は「出社回帰の代償に関する試算レポート」を公開した。公益財団法人日本生産性本部が公表している調査などをもとに、テレワークが制限・廃止された場合、働く人がどのような反応を示すのかを整理し、その規模を試算している。
テレワーク実施率、コロナ禍当初の約半分に
日本生産性本部の「働く人の意識調査」によると、雇用者のテレワーク実施率は2020年5月の31.5%から、2026年1月には15.4%へ低下。過去最低は2025年1月の14.6%で、直近3年ほどは14~17%前後で推移している。

出社回帰の動きは、別の調査からもうかがえる。Job総研が2025年1月に675人を対象に実施した調査では、職場で出社回帰が「ある」「ある予定」とする回答が合わせて51.9%と半数を超えた。2026年4月公表の調査(327人)では、出社頻度は「週5日」が約5割で最多だった。
テレワーク制限・廃止で4割が退職・転職や働き方見直しを検討
ではテレワークをしている人は、制度の制限や廃止をどう受け止めるのだろうか。日本生産性本部が2023年5~6月に実施した「テレワークに関する意識調査」では、管理職ではないテレワーカー1000人に、勤め先のテレワーク制度が制限・廃止された場合について尋ねている。その結果、「退職・転職を検討する」「働き方の変更を検討する」を合わせると41.3%となった。
スキルアップ研究所では、この割合を「テレワークを実施している人が100人いる職場」に単純に当てはめた場合、約41人が退職・転職、または働き方の変更を検討する計算になるとしている。ただし、これは実際に41人が退職・転職することを意味するものではない。「検討する」という意向を示した割合であり、実際の退職・転職の発生率ではない点には注意が必要だ。



