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2026.08.21 09:28

エンタープライズAI、本番導入進むも半数は「効果を証明できず」

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本日発表されたPlug and Play(プラグアンドプレイ)の「2026年エンタープライズAI戦略意識調査(2026 Enterprise AI Strategy Pulse Survey)」によると、エンタープライズAIは「導入」のハードルをクリアしたものの、「証明」のハードルで立ち往生している。現在、世界の大企業の74%が少なくとも1つのAIソリューションを本番環境で稼働させており、93%がパイロット(試験運用)フェーズかそれ以上に進んでいる。しかし、本番導入ステージにあるこれら企業の半数は、それが成果を上げたかどうかを説明できない。調査対象はフォーチュン500やフォーブス・グローバル2000の企業に偏っているため、これはロングテールではなく、市場のトップ層における現状だ。

「エンタープライズAIは導入の基準値は超えたが、価値の基準値には達していない。調査対象となった企業の4分の3近くがAIを本番導入しているものの、その半数は依然として投資対効果(ROI)を継続的に測定できていない。次の章で重要になるのは、モデルそのものよりも、それを取り巻く運用基盤だ。すなわち、より優れたデータ、ガバナンス、統合、オーナーシップ、そして測定である。今後一歩リードするのは、本番導入を具体的なビジネス成果へと一貫して結びつけることができる企業だろう」と、Plug and Playのベンチャーズ・パートナーであるアミット・パテルは筆者に語った。

現在市場に出回っているすべてのレポートから明らかになった、エンタープライズAIにおける全体的なギャップは以下のとおりだ。

ここでは、トップ層が正しく進めている点と、誤っている点を見ていく。

正しい点:議論をやめ、本番導入に踏み切った

2年間に及ぶ「パイロット煉獄」は終わった。自社を「AIネイティブ」と呼ぶ組織はわずか5%だが、37%が単一の部門内でAIを稼働させており、32%が複数の部門にわたって運用している。導入はもはや制約条件ではなくなっており、これはROIに対する懸念の陰に隠れがちだが、真の成果である。

正しい点:デモの良さより「防御力」を選択している

回答者の92%が、ベンダー選定の最優先事項としてデータプライバシー、説明可能性、コンプライアンスを挙げており、パフォーマンス(74%)や柔軟性(53%)を上回った。ベンチマークのスコアが契約を左右していた2024年には、このような優先順位は考えられなかっただろう。企業のバイヤーは、説明できないモデルは、規制当局や取締役会、あるいは顧客に対して弁明(防御)できないモデルであることを学んだのだ。

正しい点:AIの所有権が事業部門に移行した

現在、AIの所有権(主導権)がCAIO(最高AI責任者)やAIリード、あるいは優れた拠点(CoE)にある割合はわずか21%にすぎない。37%は機能部門や事業部門(LOB)の長が握っており、BCG(ボストン コンサルティング グループ)の調査では、CEOの72%が現在、AIの主要な意思決定者であることが分かっている。これは原則として正しい。価値はIT部門の中ではなく、事業部門の中で創出されるものであり、成果に対して責任を負う人物がツールをコントロールすべきだからだ。

誤っている点:基準値(ベースライン)なしで導入している

導入範囲が狭いものほど、効果の測定がおろそかになっている。本番運用の最も初期かつシンプルな段階である「単一の事業部門」でAIを実行している企業では、その4分の3にあたる74%が、ROIを測定するには時期尚早であるか、あるいはまったく追跡していないと回答している。これは全体の「半数」という数字よりも悪く、本来期待されるものとは逆だ。なぜなら、単一部門での運用のほうが、因果関係の特定が最も容易なはずだからだ。導入前の指標がないまま開始されたユースケースは、比較対象が存在しないため、永久に効果を測定できなくなる。

より大規模なデータセットも、これがサンプル数の少なさによる偏りではないことを裏付けている。KPMGによる2026年6月の調査(世界20カ国のリーダー2145人以上が対象)では、AIのROIが確立されていると回答したのはわずか7%だった。また、デロイト(Deloitte)の調査(リーダー3235人が対象)では、66%が生産性の向上を報告しているものの、AI主導の収益拡大を実現しているのはわずか20%にとどまっている。

誤っている点:会計管理を伴わずに権限を移行した

これは、AIリーダーが正しく行っていた3つ目の項目の裏返しである。全社的なIT部門は、何十年もかけて支出と成果を紐付ける方法を学んできた。しかし、事業部門長はP&L(損益)に責任を持つものの、共通の測定フレームワークを持っていることは稀であり、CFO(最高財務責任者)がマーケティング分野への導入効果とサプライチェーン分野への導入効果を比較できるようなフレームワークは、ほぼ皆無に等しい。権限は、会計規律が追いつくよりも速いスピードで技術部門から出て行ってしまい、測定のギャップはその代償として現れている。

誤っている点:誤った時間軸で測定している

IDCとマイクロソフト(Microsoft)の測定によると、生成AIに費やした1ドル(約1万未満円)あたりの平均リターンは3.70ドル(約1万未満円)であり、ROIがプラスに転じるまでの期間の中央値は14カ月である。しかし、多くの企業は4四半期(1年)のサイクルで評価を行う。このズレのせいで、プラスの利益を生み出そうとしている途中のプロジェクトが打ち切られ、手軽で浅い成果を出すプロジェクトばかりが報われることになってしまう。

これと同じ短期的な視点は、データ関連の支出にも表れている。データ基盤は、規模拡大を阻む最大の障壁(71%)であり続け、企業の成熟に伴って解消されるどころか、どの導入段階でも高い障壁として残り続ける。多くの企業は依然として、データ整備作業を経常的な予算項目としてではなく、プロジェクトの一時的な諸経費として資金提供している。Integrate.ioの調査では、強固なデータ統合は10.3倍のROIをもたらすのに対し、接続性が不十分な場合は3.7倍にとどまることが分かっている。

2026年後半に取り組むべき唯一のエンタープライズAI戦略

CFOが管轄する「AI測定基準」を確立することだ。これがなければ、各事業部門のリーダーが自らの部門に都合の良いフレームワークを作成するだけで、それらのフレームワークを比較したり、企業全体で統合したりすることはできなくなる。そうなれば、ビジネスの37%でAIの所有権が分散し、価値に対する統一された見解が存在しないという事態に陥る。「証明」こそが、エンタープライズAI投資を2027年の予算サイクルへとつなぐ架け橋となるだろう。

(forbes.com 原文)

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