ポーランド誌「新東欧」の編集者ギオルギ・ベロシビリは筆者の取材に対し、「最近の(NATOとの)溝の深まりは、特に2022年以降の『ジョージアの夢』の外交路線に沿ったものであり、同機構に関連する孤立した事例ではない」と説明。「同党はEUとの加盟交渉を凍結し、陰謀論をまき散らし、ジョージアは10年以上ぶりにNATO首脳会議の議題から外された。これらすべてが積み重なった結果だ」と指摘した。
「ジョージアの夢」の方針に対し、NATOやEUへの加盟を望む野党や市民からは抗議の声が上がっている。ジョージア社会分析研究所(ISSA)が昨年実施した世論調査によると、対象となった国民の74%がNATO加盟を、86%がEU加盟に向けた取り組みを支持していた。
2024年の議会選挙以来、市民は毎日のように与党に対する抗議活動を組織しており、現在に至るまで続いている。抗議参加者は、「ジョージアの夢」が「ロシアの権威主義的な手法を模倣している」と非難している。また、こうした抗議運動が新たな議会選挙につながり、NATOやEUへの加盟に向けた取り組みが復活することを期待している。
このように、NATOとジョージアの政治的関係はここ数年、緊張しているものの、両者の軍事協力は続いている。ジョージアは5月、「NATOの集団防衛態勢を強化する」ことを目的とした米国主導の軍事演習に参加した。この協力は、NATOとジョージアの政治的関係が希薄になる一方で、両者間の防衛分野での連携は途絶えていないことを示唆している。
先述のブジアシビリは次にように説明した。「ジョージアの近代的な軍事教義や訓練、制度開発、相互運用性は、NATOや個々の同盟国との協力を通じて構築されてきた。NATOとの相互運用性は、ジョージアの軍事教義や専門教育、演習、防衛機関に深く根付いている。政治統合は停滞しているが、NATOとの軍事的な相互運用性の要素は長年にわたる枠組みや合同演習を通じて機能し続けている」
今回のNATO首脳会議への欠席を巡っては、ブジアシビリは「ジョージアの孤立が深まっていることに対する重大な警告と見なされるべきだが、NATOが同国への扉を完全に閉ざしたとはまだ言い切れない」との見解を示した。両者の隔たりは、昨年や一昨年の首脳会議で既に露呈していた。
ベロシビリもこれに同意し、「ジョージアの夢」が公に表明している内容と、同国の防衛機関の実際の動きとの間には乖離(かいり)があると指摘した。ベロシビリは、ジョージアが今年に入って2回、NATOとの合同軍事演習に参加したことを挙げ、「日々耳にする政治的な言説と、実際の防衛政策の方向性との間には明らかな隔たりがある」と述べた。その上で、ジョージア軍は過去数十年にわたりNATO基準への適合を進めてきたため、両者の政治的関係が不安定化しても、軍事協力が後退する可能性は低いとの見方を示した。「政治的な発言とは裏腹に、NATO基準は依然として優れたものと見なされている」
首脳会議が閉幕した今、NATOは今秋に予定されている一連の会合に焦点を移すことになる。「ジョージアの夢」がNATO加盟に向けた取り組みに対する姿勢を転換するのか、あるいは同機構からさらに距離を置く道を選ぶのか、今後の展開を見守っていく必要がある。


