ハッカソンにグーグル共同創業者セルゲイ・ブリンも登場
AGI Houseでは隔週で、特定のテーマのもとでハッカソンが開催されている。「フィジカルAI」や「AI×フィンテック」など、テーマごとに関心をもつ開発者が集まり、チームを組んで開発し、アイデアと実装を競う。
例えば、今年5月に開催されたエンタープライズAIをテーマとするハッカソンでは、Google DeepMindがスポンサーを務め、グーグル共同創業者のセルゲイ・ブリン氏も登場した。
会場には、Google DeepMindの研究者に加え、金融、製薬、バイオテクノロジーなど、さまざまな産業でAI導入を進める企業幹部や技術者が集まった。参加者はグーグルの最新AI技術を活用し、ソフトウェア開発、科学研究などに使えるAIエージェントをその場で構築した。
AIの能力を押し上げる研究者と、現実の産業にAIを導入する実務家が、同じ場所で議論し、手を動かし、プロトタイプをつくる。その研究と実装の距離の近さに、AGI Houseの本質があると言えるだろう。
AIは画面の中から、現実世界へ
ユー氏が現在注目しているAIの潮流は、大きく三つある。
一つ目は、自ら改善を重ねるAIシステム(self-improving AI systems)だ。特に、ソフトウェア開発を支援するコーディングエージェントや、科学研究を加速する「AI for Science」の進歩は著しい。
二つ目は、AIが物理法則や空間、時間、物体同士の関係を理解する「ワールドモデル」である。
そして三つ目が、フィジカルAIとロボティクスだ。これまで生成AIの主な活躍の場は、パソコンやスマートフォンの画面の中だった。しかしAIがロボット、自動車、工場、物流設備などと結びつくにつれて、その影響は物理世界へと広がる。この変化は、日本企業にとって非常に大きなチャンスになるとも言える。


