リーダーシップ

2026.08.20 15:59

従来の「肩書」は終焉を迎えるのか?

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今年初め、デロイトはある発表を行った。従来のキャリアパスモデルを廃止し、より未来志向の新しい構造を採用するというものだ。かつてはアナリストとして採用され、コンサルタント、マネジャーへと昇進していくのが通例だったが、このプロフェッショナルサービス大手は、そのキャリアのハシゴを、よりフラットで具体的なものへと刷新した。それは「スキルファミリー」と「サブファミリー」からなるシステムであり、リーダーシップ階層は「リーダー」という単一の階層に統合された。

その理由は、言うまでもなくAIだ。デロイトは昨年、2030年までに生成AIの開発に30億ドル(約4770億円)を投資すると発表しており、この動きが組織全体に地殻変動をもたらしている。内部プレゼンテーション資料によれば、肩書を再評価することは、自動化への注目が高まるなかで「市場との適合性と明確性を高める」ことを目的としている。

デロイトは、組織の階層やその中の役職を再定義し始めた最も注目すべき組織の一つかもしれないが、最後ではない。その理由は以下の通りだ。

肩書が果たす役割

肩書はもともと、従業員の職務の全容を完璧に捉えるためのものではなかった。実際には、組織図の中でその人物がどこに位置するのかを示すための便利な略記にすぎない。報酬コンサルティング会社パール・マイヤー&パートナーズ(Pearl Meyer & Partners)の調査によると、企業の80%が従業員の組織階層における位置づけを表すために肩書を利用している。

このシステムは何十年もの間、十分に機能していた。しかし、それはAIが登場する前の話であり、AIが仕事とその担い手を再定義するスピードは凄まじい。ハーバード・ビジネス・スクールのスラージ・スリニヴァサンらが共同執筆したワーキングペーパーによれば、2022年末にChatGPTが一般公開されて以来、定型的で反復的な作業を伴う職種の求人は13%減少した一方で、より分析的、技術的、またはクリエイティブな業務を必要とする職種に対する企業の需要は20%増加した。

労働力インテリジェンス企業レベリオ・ラボ(Revelio Labs)のCEOであるベン・ツヴァイクは、SHRMのインタビューに対し、組織的な慣習によって企業は従来の職務体系に縛られたままになっており、新しい役割を付け加えるのも「意図的な設計というよりも、主に長年の慣行を反映しているにすぎない」と語っている。

組織が刷新に取り組む場合、「中心的な目的は、単に肩書やスキルに頼るのではなく、実際に行われている仕事を反映した標準化された『共通言語』を確立することであるべきだ」と彼は述べる。

AIがもたらす地殻変動

AIは雇用の展望を劇的に変えつつあるが、それは多くの人が考えているような形ではない。確かに、自動化によって多くの従業員が余剰人員になったと主張し、それに伴う人員削減を行っている企業もある。スナップチャット(Snapchat)の親会社であるスナップ(Snap)は、その最新の例であり、「人工知能の急速な進歩」を理由に、全従業員の16%にあたる1000人の人員削減を行うと発表した。

しかし、AIは仕事を完全に奪うというよりも、仕事を構成する個々のタスクを代替しつつある。例えば、かつてサポートチームのメンバーは、何十件もの定型的な問い合わせに対応していた。現在では、そうした定型的な質問を処理するAIシステムを監督しつつ、より複雑な個別対応に集中している。

これについて、Forbesコントリビューターのバーナード・マーは、仕事が「分解」されているのだと指摘する。しかし、多くの企業はまだこの新たな現実にうまく対処できておらず、変化に対応するための新しい枠組みを導入していない。「その結果、従業員は自分の職務記述書(ジョブ・ディスクリプション)や、採用時に抱いていた期待とは一致しない業務を行うことになる可能性がある」とマーは書いている。「同時に、マネジャーは貢献度をどのように評価すべきか、あるいは人材をいかに効率的に配置すべきかが分からなくなってしまう」

リーダーが今取り組むべきこと

私たちの多くは、大々的な肩書の革命を起こそうとしているわけではない。しかし、デロイトの方向転換は、リーダーにとっていくつか実用的な示唆を与えてくれる。

AI時代においては、過去の肩書ではなく、その人物が「実際に何ができるか」に基づいて採用することが重要だ。ジョットフォーム(Jotform)では、特定の経験年数や資格のチェックリストに過度に依存しない、総合的な採用プロセスを採用している。その代わりに、その人物の全体像を見ている。どのように考え、何ができ、どのような資質をもたらしてくれるのか、ということだ。

生成AIによって採用業務が効率化されたことで、私たちは候補者の可能性を探り、その強みを真に理解することに、より多くの時間とリソースを割くことができるようになった。以前は、何十通、時には何百通もの履歴書を1通ずつ精査し、学位のような最も基本的な資格でさえ、骨を折ってフィルタリングしなければならなかった。しかし、今は違う。かつて私たちを縛り付けていた退屈な雑務の大部分をAIが排除してくれたため、有力な候補者についてこれまで以上に深く検討する時間を確保できている。

既存の従業員に対しては、彼らの職務と、それを処理するためにAIをどのように活用しているかを監査するとよい。AIの透明性を重んじる文化を醸成することは不可欠だ。チームは、自分の仕事がなくなることを恐れるのではなく、何を自動化しているかを主体的に共有できるようにすべきだ。目指すべきは、実際の業務がどこで行われているかを常に最新の状態で把握し、古い組織図ではなく、その実態に基づいて組織を構築することだ。

AIは、何十年もの間、仕事を定義するのに役立ってきた階層を急速に解体しつつある。先見の明のあるリーダーにとって、一つの仕事をどのようなタスクが構成しているのか、そしてそれらの役割が今後どのように進化していくのかを考え始めるべき時は、今なのだ。

forbes.com 原文

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