私のビジネスパートナーと私が、後にOMNIA Partnersとなる会社を立ち上げたとき、顧客もサプライヤーも保証もなかった。だが、私たちにはアイデアがあり、周囲の人々とコミュニティに全力で投資すれば、事業は後からついてくるという信念があった。25年以上が経った今、その信念が正しかったことは証明されている。
私たちの歩みから学んだのは、文化こそが成長を動かす力であるということだ。企業文化を築き、会社の成長を支えるためのヒントをいくつか紹介する。
関係性に投資する
成長の枠組みの多くは市場、資本、テクノロジーから始まる。しかし、関係性は持続的な文化と成長を生み出す要因として、常に最も見落とされがちなものの1つである。誠実さを保ちながら規模を拡大する企業には、周囲の人々に深く投資してきたリーダーが舵取り役として存在する。
これは、そこに身を置くことから始まる。積極的に関与するという比喩的な意味でも、会議やオフィスに実際に足を運ぶという文字通りの意味でも、姿を見せるリーダーは、意思決定の際に場の空気を読み、必要に応じて調整するうえでより有利な立場に立てる。
これは、ビデオ通話、電話、メールが選択肢から外れるという意味ではない。関係者のタイムゾーンや予定によっては、こうしたコミュニケーション手段が最善である場合もある。しかし、真のつながりを築くには対面の時間が欠かせない。リーダーは可能な限り、直接会う努力をすべきである。
従業員を単なる働き手としてではなく、一人の人間として知るために時間をかけることだ。定期的なランチであれ、気軽な声かけであれ、その投資には意味がある。相手を知らなければ、人を適切に導くことは難しい。見られている、価値を認められていると感じる人は、行動の質が変わる。問題解決は速くなり、在籍期間も長くなる傾向がある。つまり、企業文化を形づくる織物そのものになるのだ。
関係性への投資は、オフィスの扉の内側で止めるべきではない。同じ原則は、外部パートナーや顧客との関わりにも当てはまる。人が本当に大切にされていると感じると、その関係は取引型から協働型へと変わることが多い。サプライヤーは窮地で助けてくれる可能性が高まる。顧客は他者に自社を推薦してくれる可能性が高まる。信頼を築けば、確かな評判を築くことができ、やがて市場シェアも築くことができる。
価値観を犠牲にせずに規模を拡大する
急成長する企業の多くがつまずくのはここである。リスクが高まると、リーダーは本能的に人を制限し始める。階層を増やし、意思決定を遅くする。これは、そもそも会社を築いた起業家精神を傷つけかねない。
成長期に統制を強めることは理解できる。賭け金は大きくなり、許容できるミスの幅は小さく感じられる。しかし、従業員のオーナーシップ意識と、それに伴う目的意識を奪うような対応をすれば、企業文化は時間とともに損なわれる可能性がある。
リーダーは、人に「できないこと」を伝えるのではなく、「できること」を通じて力を引き出すよう努めるべきである。恐れずにアイデアを出せる余地と寛容さを与えることだ。何が可能かを探る姿勢を企業理念の揺るぎない一部にすれば、人々に機会を提供し、説明責任も生み出せる。
組織内のすべての人が、事業への自分の貢献に責任を感じるべきである。リーダーは、従業員に代わって場当たり的にすべての決定を下すべきではない。むしろ、従業員が自ら判断するのが適切な場面で、それを阻んでいる障壁を取り除くべきである。
この考え方は、次世代のリーダーに対して特に重要である。私の経験では、20代後半から30代前半の若い人材は、あらゆる局面で管理されることではなく、意義ある仕事について導かれ、責任を負うことを望んでいる。機会と説明責任を結びつける企業は、この世代の人材を引きつけ、維持し、いつか組織の舵取り役となる人材を育てるうえで、より有利な立場に立てる。
リーダーシップの教訓
文化は成長に対して周辺的なものに見えるかもしれないが、その影響は具体的である。従業員の定着、人材獲得、顧客満足に表れる。人々は、実践されている文化と、単に掲げられているだけの文化の違いを知っている。
テクノロジーを購入し、コンサルタントを雇い、サプライチェーンを最適化することはできる。しかし、文化は人工的につくり出せるものではない。ただし、文化は築くことができる。それも、1つひとつの関係性を通じて。



