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2026.08.25 08:15

若者の過半数が買い物決済をAIに一任、エージェンティックコマースの現在地

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AIエージェントが商品の選択、購入、決済まで自動で行う「エージェンティックコマース」という考え方がEC界隈で話題になっている。若年層には、これで買い物をAIに丸投げしたいと考えている人が少なくない。しかしその一方で、彼らはAIを活用した買い物を通じて、まったく逆方向とも思える傾向も示していた。

企業のマーケティング戦略、事業開発、ブランド開発などの支援を提供する伊藤忠ファッションシステム(ifs)は、20〜60代の生活者1062人を対象に「AI時代の消費の楽しみ」をテーマにした調査を行った。それによると、商品を選ぶ際に、若い世代ほどAIに決めてもらうほうが楽だと考えていることがわかった。

21〜29歳の「コロナ世代」では、「そう思う」と答えた人はじつに56.6パーセントにのぼった。さらに、あらゆる買い物をAIに決済まで済ませてほしいと考える人が、もっとも割合の高かった29〜39歳の「ポスト3.11世代」で54.8パーセントとなった。買い物が楽になるなら、AIに財布を預けてもかまわないという大胆さだ。

しかし、効率一辺倒というわけでもない。実店舗に出かけて自分で商品を見たりスタッフと会話することが楽しいと感じている人は、じつは若い世代に多い。とくに衣食住や趣味に関連する、自分のこだわりや自分らしさが重視されるものに関しては、AIがどれだけ発展しても、自分で選びたいと考えている。

買い物に関して、もっとも信頼する情報源を尋ねると、全体的には「身近な人のすすめ」がもっとも多かったが、若い人ほど店員からの情報と同程度に、AIやインフルエンサーなどSNSの情報を信頼する傾向が見られた。インフルエンサーなら、自分の感覚に近い人を選ぶことができる。AIは、自分の情報をたくさん覚えていて、自分のことをよくわかってくれている。だから、その場限りの店員よりも、そちらを信頼する人が他の世代よりも多いようだ。

彼らにとってAIは、すべてをやってくれる便利な存在であると同時に、自分らしさを優先して自分で商品を選びたいときには、よき相談相手にもなる。AIとの対話は、自身の価値観や趣味を客観的に知るための内省を促すパートナーだとも言える。

「自分で選びたいもの」に関する設問で、コロナ世代から聞かれた「自分が今食べたいと思うものはAIには判断できない」、「無意識のうちにAIに判断を誘導されるのは怖い」といった意見から、AIの限界や問題点を若い人たちは理解しているように思われる。そのようにAIリテラシーを備え、バランスの取れたAI活用が可能ならば、彼らはエージェンティックコマースの上手な使い手になっていくだろう。

ifsは、「AIとの対話そのものが、これからの選ぶ楽しみになっていく」と指摘。新しい消費の兆しが始まっていると話している。

出典:伊藤忠ファッションシステム 20~30代の約3人に1人が「AIに財布を預けてもいい」、AI時代の新たな消費行動「AIdentity消費」をifsが提唱

文 = 金井哲夫

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