テクノロジー

2026.08.28 11:30

浄化槽管理を効率化し未来の「水インフラ」を守る(大森美紀):30UNDER30

大森美紀|Nocnum 代表取締役CEO

大森美紀|Nocnum 代表取締役CEO

Forbes JAPAN 2026年10月号は、日本発「世界を変える30歳未満」30人「30 UNDER 30」を特集。

30歳未満の次世代をけん引する若い才能に光を当てるアワードで、米『Forbes』が11年より開催し、世界的に注力している企画だ。『Forbes JAPAN』でも18年から8年間で総計330人を選出してきた。今年の受賞者も、AI革命の真っただなかで先頭に立ち、想像力、知性、そして並外れたグリット(やり抜く力)をもって、「自分が思うより良い未来」を目指す30人。彼ら彼女らがつくる「 新しい社会、新しい経済」から見えてくるものこそが、日本の未来の希望になるーー。

今年の「30 UNDER 30」受賞者のひとりが、Nocnum創業者の大森美紀だ。


世界では毎年約17億人が糞便で汚染された飲料水を使用し、下痢によって約50万人が死亡していると推定される(2022年、WHO)。その多くを占めるのが5歳未満の子どもだ。「水が原因で子どもが死ぬ世界を変えたい」──そう夢を語る大森美紀は、浄化槽専用IoT水質センサー「AquaLink」を開発、販売するNocnumを22年に創業した。

浄化槽とは、下水道が整備されていない地域で生活排水を処理するために設置される汚水処理施設のこと。特に途上国や新興国では水質管理が不十分で、浄化槽を設置してもなお課題が残る。そうした管理面での課題にアプローチするのがAquaLinkだ。浄化槽に設置するとセンサーが槽内の水質や微生物の働きを継続的に計測し、そのデータを元にAIが水質指標の推定値を出力、異常があれば警告も出す。従来は水質情報現場での採水と分析が必要だった水質情報を、常に非接触で把握できる業界初の管理手法だ。導入障壁の低い、安価でタフなハードウェアも特徴だ。

大学院で宗教と途上国開発をテーマに研究をしていた大森は、「研究だけで社会が変わるまでには、あまりにも時間がかかる」と起業に興味を持った。浄化槽の遠隔管理技術を研究していた渡部龍一(現・取締役CTO)と出会い、同社を創業。26年5月にAquaLinkの先行販売を開始した。日本国内でも専門人材の高齢化に伴う需要がある。「国内のインフラを守りつつ、将来的にはグローバルに事業を展開していきたいです」

世界を変えうる30歳未満にフォーカスする企画「Forbes JAPAN 30 UNDER 30」、9年目となる今年も30人の受賞者を選出。これからの未来をつくる彼ら・彼女らが描く「希望」と「新しい未来」へ、ようこそ!

【30 UNDER 30 特集号が現在発売中 / 受賞者一覧を特設サイトにて公開中


おおもり・みき◎1997年、茨城県生まれ。2020年に愛知県立大学外国語学部卒業、22年から京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科休学中。同年にNocnumを設立し、オンサイト排水処理設備の遠隔監視IoTセンサー「AquaLink」を提供。

ワンピース41800円/ミドラ(ジョワイユ Tel:03-4361-4464)、ピアス20460円/エスシル(UTS PR Tel:03-6427-1030)

文=三ツ井香菜 写真=帆足宗洋(AVGVST) スタイリング=鹿野巧真 ヘアメイク=MIKAMI YASUHIRO

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