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2026.09.03 15:15

「60社をソロ担当」のAI税理士が帳簿672行読ませて実況、脅威の経理自動化

AdobeStock

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畠山謙人氏。発注・監査・実行と「経理のすべての椅子」に座ってきた税理士。運営する税理事務所にスタッフはいないが顧問先60社、しかも17時退勤。仕分け、資料整理、メールの下書き、「実行」はすべてAIに任せるからだ。代わりに税務判断とクライアントへの提案は自分が行っている。

 

 

 

 

 

 

「AI税理士」として発信するXは実に累計700万インプレッションだ。長文Xの投稿(「スタッフ0人の税理士が、Claude Codeで顧問先60社を1人で回している全手法」) は358万アクセスと大きな反響を呼んでいる。

以下、公認会計士・税理士/畠山謙人税理士事務所の畠山謙人氏による寄稿である。

「記帳」の次は、チェックまで自動に──「60社をソロ担当」の税理士が伝える、経理自動化の今とは。


今回の主役は、「チェックの自動化」

今年の4月、Forbes JAPANに私の記事が掲載されました。「『60社をソロ担当』脅威の税理士が339万リーチ長文Xに書いた『Claude駆使の日々』」 。スタッフゼロの税理士事務所で、AIを使って顧問先60社分の経理を回している、という話です。

あれから4カ月あまり。ありがたいことに、いまでも「記事を見た」と声をかけていただきます。その間もAIの進化は止まっておらず、現場の景色はさらに変わりました。今の状況を、改めてお伝えしたいと思います。

前回の主役は「記帳の自動化」でした。今回の主役は、その先にあります。チェックの自動化です。

まず、記帳の現在地

おさらいを兼ねて、記帳がどこまで自動になったかを整理します。経理の取引データが会社に入ってくる入口は、大きく3つあります。口座(銀行・カードの明細)、(請求書・領収書)、そして計算結果(給与計算など、他の業務の結果を仕訳に起こすもの)です。いま、この3つすべてでAIが動いています。

口座の側は、こう動きます。毎晩21時、AIエージェント(私はAnthropic社のClaude Codeを使っています)がfreeeやマネーフォワードから全顧問先の未処理明細を取得し、二段構えで仕訳にします。第一段が、日本語で書いたルール表です。「タクシー、新幹線、Suicaは旅費交通費」「飲食は1万円以下なら会議費、超えたら交際費」「AWSはAmazonより先に判定する(クラウド利用料が消耗品費に化けるため)」。明細の7〜8割は、この段階で科目が決まります。第二段が、AIの読解です。ルールで決まらなかった明細だけをAIが読み、科目の候補と理由を出します。

紙の側は、体感としてはもっと劇的です。会計ソフトの証憑ボックスに溜まった請求書・領収書のPDFや写真を、AIが直接「見て」、日付・取引先・金額・消費税区分を抜き出します。デザイン報酬や原稿料なら「源泉所得税が引かれているべきでは」という検算までして、一覧表にします。私が承認すると取引が登録され、元の証憑画像が仕訳に自動で紐づきます。請求書130件でおよそ15分。以前なら丸一日の仕事でした。

計算結果の側も、同じ構図です。たとえば給与。給与計算の結果をもとに、総支給額を給与手当に立て、社会保険料・源泉所得税・住民税を預り金に分解し、差引支給額を未払金に置く月次の振替伝票を、AIが下書きします。毎月同じ構造で、科目の対応が決まっている振替伝票は、AIが最も間違えにくい領域です。ただし、給与や税金はそもそも金額の当否を人が確かめるべきものですから、ここは必ず私が中身を見てから登録します。

どの入口でも共通しているのは、AIは起票案を作るところまでで、登録されるのは人が承認したものだけという設計です。ここは前回から変わっていません。

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