リーダーシップ

2026.08.20 11:04

内定辞退より深刻、Z世代の「サイレント辞退」が示すもの

stock.adobe.com

stock.adobe.com

こんな場面を想像してほしい。ある企業がZ世代の候補者に内定を出した。候補者は2週間音信不通になった末に内定を辞退した。数週間後、同じ候補者が戻ってきて、そのポジションがまだ空いているかを尋ねたが、企業側は断った。

ネットは炎上した。コメントの半分は企業を冷酷だと批判し、残りの半分は候補者を未熟だと非難した。注目すべきは、これが実話であることだ。

誰も得をせず、全員が不満を抱えてその場を去った。問題は、なぜこうした事態が起きているのかを双方が見落としている点にある。

数字は想像以上に深刻だ

これは単なるバイラルな逸話ではない。採用の現場では、採用する側と受ける側の双方において危機的な状況が広がっている。

1100人以上の採用担当者を対象にした2025年のResume.orgの調査によれば、Z世代の候補者の約54%が、正式な内定通知後に音信不通になっているという。その内訳は、27%が内定を承諾したものの書類手続きを完了せず、26%が書類手続きを終えたものの初日に姿を見せず、29%は数日出社した後に音信不通になったというものだ。

Z世代に非がないわけでもない。実際、Z世代の求職者の41%は、応募先企業に対して音信不通になったことを公然と認めている。研究者はいま、内定を受けながら単に出社しない行為をキャリア・キャットフィッシングと呼んでいる。

その結果、膠着状態が生まれている。そして人材不足は悪化し続けている。

特定の世代だけを責めるのはやめるべきだ

ここで押さえておくべきことがある。音信不通になる行為は新しいものではなく、Z世代が生み出したわけでもない。彼らは、いま自分たちを非難しているまさにその企業から学んだのだ。実際、雇用主の75%が、自社の採用プロセスの一部として音信不通が常態化していると認めている。

長年にわたる大量解雇。人と接する前にアルゴリズムで落とされる書類選考。企業からのフォローがなく、何週間も待たされる候補者。そもそも埋める気のない求人の掲載。これらが企業側の「常套手段」だった。Z世代はそれをそのまま覚えただけである。

Z世代が音信不通になるのは、人格上の欠陥ではない。条件反射なのだ。心理学者によれば、候補者たちは「無回答こそが唯一の回答だ」と教え込まれてきたシステムから、自らを情緒的に守ろうとしている。企業が候補者を後回しに扱う仕組みを築き、信頼を失墜させた結果が、いまリアルタイムで顕在化しているのだ。

信頼の溝は、今やビジネス上の問題だ

採用は難しくなっているのか。間違いなくそうだ。採用担当者の報告によれば、66%がZ世代の音信不通によって候補者選定が明確に難しくなり、コストもはるかに高くなったと答えている。

さらに驚くべきことに、10社に1社の雇用主は、いまやZ世代の候補者を一切採用しないとしており、採用の溝をさらに広げている。

それはリーダーシップではない。覚書を添えた癇癪にすぎない。

結論

内定後に音信不通になり、数週間後に戻ってくるのは、プロフェッショナルとして不適切な行動である。以上だ。

しかし、もしあなたの組織が候補者への音信不通、遅い対応、曖昧なスケジュール提示、埋める気のない求人掲載を常態化させてきたのであれば、そのプロセスの中で育った世代がそれを逆手に取ってきたときに、憤慨する資格はない。

自分たちが築いたものに責任を持ち、修正することだ。さもなければ、最良の候補者を、そうする用意がある他社に取られ続けることになる。

forbes.com 原文

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事