日本の資本市場が歴史的な転換期を迎え、新NISAによって資産運用がより身近なものとなる中、就活を控えた大学生にとっても、証券業界や資産運用業界への関心が高まっている。しかし、日本は海外に比べ、実践的な金融教育の機会が決定的に不足している。この課題に挑むのが、日本最大級の大学生企業分析コンテスト「Gyoseki Competition(Gyoseki大会)」だ。記念すべき第1回大会で優勝チームを率いた新島虎彦は、新卒でみずほ証券に入社し、現在は主にVTuber関連企業をカバレッジしている。東京大学在学中に投資サークルに入ったことをきっかけにGyoseki大会に出場したという新島。実は、高校生の頃は文学部志望だったという。なぜ新島は、金融の世界に飛び込んだのか。自身の歩みとアナリストという仕事の醍醐味について聞いた。
──東京大学の投資サークルに所属されていたそうですが、投資に興味をもったきっかけはなんだったのでしょうか。
新島:最初から高尚な理由があったわけではないんです。親が投資家だったわけでもありません。コロナ禍でサークル活動が制限されていて、自宅からの通学時間が長かったため、「オンライン中心で活動できるサークル」を探す中で偶然目に留まったのが、投資サークルでした。
少し長い話になりますが、実は高校生のときは歴史に興味があって東大の文学部を志望していました。ところが文科三類の入試に落ちてしまって……。後期日程で合格した東北大学に入学したんです。
──東北大学の文学部に?
それが、後期で募集していたのが経済学部だけだったので、経済学部に入学しました。一般教養の枠で文学の講義も履修してみたのですが、思っていたほど興味がもてませんでした。一方で、経済や金融の講義を受ける中で、そちらの方が面白いと感じるようになったのです。
ただ、私が入学した2020年はコロナの真っ只中で、講義も自宅で受けている状況だったため、考える時間が多くありました。1年生ながら就職活動の情報などを調べていくうち、東京の方がチャンスが多そうだと思い始めたのです。
──そこで、東大の文科二類を再受験することにしたと。
そういうことです。だから、サークルについても自分の将来に役立つような領域で活動したいという気持ちがあり、目に留まったのが投資サークルだったというわけです。もし現役で東大文三に合格していたら、今とは違う進路を歩んでいたと思います。
──東大で所属されていた投資サークル「Agents」は、どのようなサークルでしたか。
「Agents」は非常に小規模なサークルですが、Kaihou代表取締役の竹入敬蔵さんをはじめ、第一線で活躍する方々を輩出しています。メンバーが少なかったこともあり、私が2年生から4年生まで代表を務めることになりましたが、卒業するタイミングでなんとか後輩に引き継ぐことができました。
活動ではファンダメンタルズ分析を重視していました。「チャートのここで反発する」みたいな話は、個人の主観が強く議論になりにくいからです。業績予想であれば、「競合環境がこう変化しているから、成長率はこう変わるのではないか」といった論理的な議論が可能です。



