サステナビリティの問題
対面でのネットワーキングに欠点があるとすれば、それはサステナビリティの問題だ。対面での交流の恩恵を受けるために、どこまで移動する覚悟があるかということだ。プラットフォームFuturePlus(フューチャープラス)の最高経営(CEO)のアレックス・スミスは、組織がサステナビリティに関するパフォーマンスを測定・改善し、その成果を証明できるよう支援している。スミスが指摘するように、サステナビリティ関連のビジネスを営むということはこの矛盾を認めなければならないことも意味している。
「イベントに出向くことには金銭・時間・環境の面でのコストが伴う」とスミスは言う。「複数の国に顧客がいるため、すべての会議のために飛行機に乗って出向くのは合理的ではない。私たちは時間をどこにかけるのか、以前よりはるかに意識的に判断するようになった」
FuturePlusでは日々の業務やプロジェクトを前進させること、そして時間をかけて関係を築くことにはデジタルを活用し、実際にその場にいることが物を言う会話では対面で交流するようにしている。
「私たちは以前よりはるかに厳選するようになった」とスミスは言う。「ほとんどの会議はオンラインで行われている。それが常識的だからだ。だが、大口顧客や重要なパートナーシップ、あるいは信頼が本当に重要となる話し合いとなれば、私たちは現地に足を運ぶ。そうした会議を終えた後に『Teamsの通話で済ませられた』と思ったことは一度もない」
デジタルは人を見つけ、対面は人を結びつける
HER Health Collective(ハー・ヘルス・コレクティブ)は「人には人が必要」というシンプルな原則を軸に築かれたコミュニティだ。共同創業者のクリッシー・フィスベインも対面でのつながりが再び盛んになっていることには同意するが、ネット上でのネットワーキングがなくなるとは考えていない。「デジタル空間は人を見つけることに非常に優れている。そして多くの場合、そうして見つけた人とのつながりが『関係』へと変わるのは対面の空間においてだ」とフィスベインは言う。
人間同士のつながりの価値
AIによってコミュニケーションが差別化しにくいものになるにつれ、人とのつながりは極めて価値の高いビジネス資産になりつつある。デジタルツールは今後も業務を迅速化し、コストを削減し、リーチを広げるだろう。だが、巨額の取引や長期的なパートナーシップ、意味のある協働に必要な信頼を築くことはほとんどできない。
一歩先を行く企業はデジタルの効率性と対面による深いつながりのどちらか一方を選んでいるのではなく、その2つを戦略的に使い分けている。自動化が日常的な業務をますます担う世界においては、依然として足を運んで対面でのネットワーキングに注力するリーダーが最も強固な人間関係を築いていることが多い。


