対面ネットワーキングの心理学
対面での交流は単に収益を生み出すだけではない。より質の高い情報ももたらす。創業者は相手のためらいや熱意、相性、自信、不安、その場で影響力を持っている人、顧客が本当に乗り気なのかといったことに気づく。これらはビジネス上、価値のあるシグナルだ。ボディランゲージが読み取りにくく、気を散らすものが絶えず存在し、感情的な手がかりも見つけにくくなるオンライン会議ではこうしたシグナルが表に出ることはめったにない。
対面で築いた関係がもたらす長期の効果
ウェディングの分野ほどデジタルファーストの考え方を積極的に取り入れた業界はほとんどない。クリス・バイダはウェディング業界に足を踏み入れる前に、20年以上にわたってデジタルマーケティングに携わった。2003年にWeddingReports.com(ウェディングリポーツ・ドット・コム)を立ち上げ、現在はGroomsDay(グルームズデイ)のマネージングパートナーを務めている。
バイダはこう話す。「デジタルファーストの考え方がウェディング業界を席巻し、私もその波に乗った。だが、そこから得た見返りは展示会で持った中身のある1回の会話がもたらしてくれたものには到底及ばなかった。今でも頼りにしている取引先との関係のほぼすべては展示会で築かれたものだ」
今でも特にバイダの印象に残っている会話が1つあるという。「2006年ごろ、地域の展示会で1人の写真家と出会った。その1つの関係から10年以上にわたって仕事の紹介を受けることになった。私がこれまで実施したどの広告キャンペーンよりも長期にわたって成果を生んだ。たった一度の握手が何年分もの有料広告を上回った」
勝るのは握手
これまでにGroomsDayは3万件を超える注文を受け、50社以上の花婿付添人向けギフト企業と提携してきた。そのすべてが展示会のブースから生まれたわけではない。「飛び込み営業からうまくいったものもたくさんある」とバイダは言う。「だが、長く続く関係、つまり5年たってもこちらから頼みもしないのに取引先が仕事を紹介してくれるような関係はほぼ例外なく対面から始まっている。デジタルファーストの考え方はスピードはあるが、関係は浅い。突然送られてくるメールがもたらすのは一度の取引で、デジタルがもたらすのは量だ。握手がもたらすのは10年続く関係だ」


