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2026.08.20 08:00

イランがホルムズ海峡に通航料を課しても原油価格は上昇しない 専門家が考察

ホルムズ海峡のイラン沖に停泊する船舶。2026年8月10日撮影(Ali Saeedi/Getty Images)

ホルムズ海峡のイラン沖に停泊する船舶。2026年8月10日撮影(Ali Saeedi/Getty Images)

米経済は、イランとの紛争がどのように展開するかによって影響を受ける。そのため、予測は極めて困難だ。このような状況下では、さまざまなシナリオを検討するのが最善策となる。本稿では、イランがホルムズ海峡を制圧した場合の世界と米国の経済見通しについて考察する。これは米国が取るべき行動を論じるものではなく、イランが事実上ホルムズ海峡を支配した場合に結果として生じる影響を分析するものだ。

このシナリオの前提は、無人機(ドローン)やミサイルなど十分な資源を保有する国であれば、自国の沿岸付近を航行するあらゆる船舶を脅威にさらすことができるという点だ。敵対勢力は地上部隊を投入しない限り、脅威の源である沿岸の基地を容易に特定することはできない。そして、米国はイランに大規模な地上部隊を派遣する意思はない(この見方は間違っているかもしれないが、現時点ではそのように思われる)。

ホルムズ海峡を巡るイランの2つの選択肢

ホルムズ海峡の通過に関して、イランには基本的に2つの選択肢がある。1つは、ペルシャ湾からイラン産原油のみを輸出すること。もう1つは、すべての原油の輸出を許可するが、同海峡に通航料を課すことだ(後者の選択肢には複数の種類があり、これについては後述する)。最初の選択肢は、イランにとってあまり意味がない。昨年の同国の原油輸出量は世界全体の生産量の約2%に過ぎなかったからだ。ペルシャ湾からの原油出荷量を減らせば世界の原油価格は上昇するだろうが、イランが得る利益はごくわずかだ。むしろ、サウジアラビア、イラク、アラブ首長国連邦(UAE)、クウェート、カタールといったペルシャ湾岸の主要産油国に通航料を課す方が、はるかに多くの利益を得られるだろう。

ホルムズ海峡の通航料は、恐らく金銭と政治的忠誠心の組み合わせとなるだろう。現在の紛争で、イランは近隣諸国と良好な関係を築けていないことが露呈した。イランは、少なくともある程度は同国の方針を支持する国々と、通航料の引き下げに関する協定を結ぶ可能性が高い。他の湾岸諸国は恐らくこれに反発するだろうが、今後1~2年は選択の余地はほとんどないだろう。

なぜホルムズ海峡に通航料を課しても原油価格は上昇しないのか

船舶がペルシャ湾を航行できるようになれば、世界の原油価格は紛争前の水準にほぼ戻るだろう。今春のホルムズ海峡封鎖により、一部の油井は操業停止後に以前ほどの生産量を維持できなくなったことから、原油生産能力に長期的な減少が生じた可能性が高い。だが、紛争終結後の原油価格は、1バレル80ドル程度が妥当な目安となるだろう。

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翻訳・編集=安藤清香

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