音楽

2026.08.26 11:30

アリババグループとも契約。ストリーミング時代のJ-POPスター(高瀬統也):30UNDER30

高瀬統也|シンガーソングライター、TTT CEO

高瀬統也|シンガーソングライター、TTT CEO

Forbes JAPAN 2026年10月号は、日本発「世界を変える30歳未満」30人「30 UNDER 30」を特集。

30歳未満の次世代をけん引する若い才能に光を当てるアワードで、米『Forbes』が11年より開催し、世界的に注力している企画だ。『Forbes JAPAN』でも18年から8年間で総計330人を選出してきた。今年の受賞者も、AI革命の真っただなかで先頭に立ち、想像力、知性、そして並外れたグリット(やり抜く力)をもって、「自分が思うより良い未来」を目指す30人。彼ら彼女らがつくる「 新しい社会、新しい経済」から見えてくるものこそが、日本の未来の希望になるーー。

今年の「30 UNDER 30」受賞者のひとりが、楽曲制作からパフォーマンス、会社経営までを一手に担うシンガーソングライターの高瀬統也。チャートランクインを起点にインディペンデントでアジア市場をハックした、新時代のスターだ。


ストリーミング時代の到来で、メジャーレーベルや大手事務所に所属せず活動するインディペンデントアーティストの存在感が増している。その最前線で異彩を放つのが、高瀬統也だ。2020年にリリースした1st EPが香港で話題になったことをきっかけにアジア圏で多くのファンを獲得し、25年にはアジア10都市と国内7都市を回るワールドツアーを開催。26年7月には中国のアリババグループと日本人初の興行契約も締結した。

「人任せになるのも、音楽で食えないのは当たり前といわれる環境も変えたかった」と、22年に音楽レーベル・マネジメント事務所のTTTを設立。その後リリースした「どうして feat.野田愛実」が国内外でバイラルヒットし、累計再生12億回を突破した。

インディペンデントながら海外市場を開拓できたのは、高瀬自身の行動力の賜物だ。1st EPが香港iTunesの「エレクトロニック・トップチャート」で首位を獲得すると、すぐにこれを宣伝するとともに、広東語を学び現地向けSNSアカウントを立ち上げた。地域とジャンルが限定された小規模なチャートだったが、その後の行動が功を奏して香港を起点にアジア圏、そして逆輸入的に日本へも広がった。

かたちがありながらも触れることのできない「愛の感覚」を楽曲に込める高瀬は、その表現において日本語を大切にしている。

「海外のステージでは日本語で歌い、MCもします。現地の色に染まるのではなく、『高瀬統也』の色に染めに行く場所だから。ファンの方々も日本の文化を好きになってくれたり、日本語を勉強してくれたりします」

言葉や文化を超えて音楽が届く瞬間を何度も目の当たりにしているからこそ母国語にこだわり、これによってJ-POPファンの裾野を広げている。

26年に、自社にアーティストのFumiya Satoとまつりを迎え入れ、プロデュース業も本格化。各アーティストに合わせたトラックメイクから担い、自身のノウハウを横展開する。並行してワールドツアーを回る高瀬だが、「『家族』を守るためなら何でも乗り越えられるから、プレッシャーは一番の栄養ドリンク」と挑み続ける。

世界を変えうる30歳未満にフォーカスする企画「Forbes JAPAN 30 UNDER 30」、9年目となる今年も30人の受賞者を選出。これからの未来をつくる彼ら・彼女らが描く「希望」と「新しい未来」へ、ようこそ!

【30 UNDER 30 特集号が現在発売中 / 受賞者一覧を特設サイトにて公開中


たかせ・とうや◎1996年、愛知県生まれ。17歳より音楽キャリアをスタート。作詞・作曲からトラックメイクまで一貫して手がけるほか、TTT CEOとしてアーティストプロデュースからクリエイティブディレクションまでを統括する。2026年9月より自身最大規模のアジア8都市ツアーを開催予定。

ジャケット107800円、スラックス61600円/ともにアナーキストテイラー(ティーニー ランチ Tel:03-6812-9341)、その他スタイリスト私物

文=堤 美佳子 写真=帆足宗洋(AVGVST) スタイリング=鹿野巧真 ヘアメイク=つばきち

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