240兆円規模の半導体市場
アメリカで民間のデータセンター向け建設支出は、2021年初めの年間およそ100億ドル(約1兆6000億円)から、今年5月にはおよそ600億ドル(約9兆6000億円)まで急増している。5月は前年同月比で23%増えた。他方、製造業向け建設支出は22%減っている。製造施設は、民間による非住宅分野の建設支出で最大の分野だ。
主要半導体メーカーでつくる統計組織、世界半導体市場統計(WSTS)は、世界全体の2026年の半導体売上高は前年比90%増の1兆5100億ドル(約241兆円)に達すると予測している。押し上げの大部分はひとつの分野によるものと見込まれている。メモリー半導体だ。今年の売上高は前年から約250%も増え、8000億ドル(約127兆円)を超える見通しとなっている。
WSTSによるこの予測、なかんずくメモリー売上高の250%増という見通しに注意を促しておきたい。メモリーチップはコモディティー(汎用品)であり、これほどの売上高急増は供給不足による価格上昇が主な要因だ。もとより、供給不足はいずれ解消される。ただしWSTSは2027年も27%の成長を見込んでおり、市場がピークを迎えたとみている人はいない。
ポートフォリオを組む際に大事なこと
主要な半導体関連銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は過去1年で94%も上昇したが、直近1カ月では20%下落している。
長年の読者は、筆者が常々、ポートフォリオの10%を金(ゴールド)に配分し、内訳は現物の金地金に5%、金鉱株に5%とし、さらに毎年リバランスすることを推奨しているのをご承知だろう。しかし、このルールの眼目は金への投資それ自体にあるのではない。誰もが売っているものを買うことを検討したり、誰もが追いかけているものを減らすことを考慮したりする──そうした「規律」を持つことこそ、投資家にとっては大切だというのが、そこで言いたいことだ。
同じ考え方をここにも当てはめてみよう。ポートフォリオのうち、AIや半導体関連のインフラ整備分野に振り向ける配分を決め、定期的にリバランスする。そうした分野には半導体そのものはもちろん、それを支える電力や金属、製造装置なども含まれる。


