2026.08.26 10:30

消えかけた集落を未来につなぐ やんばるに芽吹く新しい観光のかたち

地域の文化と暮らしの風景を残しながら現代らしく洗練させた宿はすべて一棟貸し

集落のなかで回るエコシステム

客の4割は海外からで、3週間の日本旅行にこの集落を組み込み、前後をリゾートホテルで挟んでやって来る。そのひとりは、「これからは旅を、距離ではなく、人との関係性で語れるようになりたい」とコメントを残したという。400年続く集落の物語と、それを語る人に会うことが、再訪の理由になる。

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調達の9割は沖縄県内、8割はやんばる3村内で、従業員は全員がエリア内に住む。旅行業のハブとして飲食店やガイド事業者に送客し、三線の上手なおじいや、琉装を着付ける美容室のおばあに発注する。海外の客が集落の泡盛に惚れ込み、酒造会社とつないで自国への販路が生まれたこともある。語るうちに土地へ愛着の湧いたシェルパは、何人かがそのまま集落に移り住んだ。今では住民に「孫」と呼ばれ、事務所には旬の野菜や魚が届く。

仲本の目下の悩みは、観光ではなく住宅だ。移り住みたい若者に貸せる家が集落にない。カーテンの外れた窓を見つけては、家主に電話をかける。この8月には、シェルパが2人増える。年が明ければ自身も一家3人で謝敷へ越して、集落は28人になる。

(Photos courtesy of Yambaru Hotel Nammei Shinshitsu)
(Photos courtesy of Yambaru Hotel Nammei Shinshitsu)

仲本いつ美◎国頭村役場の職員として県庁出向中に世界自然遺産登録に携わる。2019年退職、地域限定旅行業のEndemic Garden Hを創業。22年に謝敷集落で「やんばるホテル南溟森室」を開業。姉とともに経営する。

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文=青山 鼓 写真=やんばるホテル南溟森室

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