私は職業人生の大半において、「ディールメーカー」と呼ばれてきた。
私はパートナーシップを交渉し、企業を築き、一見ほとんど共通点がないように見える人々を結びつけてきた。その中で学んだのは、成功する交渉が単に数字だけで決まることはまれだということだ。重要なのは、動機を理解し、信頼を築き、異なる利害が同じ方向へ進める地点を見いだすことである。
もし私たちが最高の交渉スキルを、数百万ドル規模のディールを成立させるためだけでなく、人間社会の課題に取り組むためにも活用したらどうなるだろうか。
世界にはビジネス上のディールが必要だ。資本は企業、イノベーション、雇用、機会を生み出す。しかし世界には、共通の目的のもとで組織とコミュニティを結びつけられる架け橋となる存在も必要である。
国家や公式代表によって行われる従来の外交とは異なり、市民人道外交は、市民社会やその他の非国家主体を通じて、対話と協力のための補完的な場を生み出すことができる。
ビジネスリーダーにとって、そのスキルはなじみ深いものだ。すなわち、耳を傾け、利害を理解し、対立を管理し、信頼を築き、共通基盤を見いだすことである。
違うのは、交渉の目的である。
ビジネスのディールから、人のためのディールへ
私のキャリアで最も意義深い取り組みの1つは、30年以上前に始まった。Fashion Targets Breast Cancerをブラジルに導入するのを支援したときのことだ。
この運動は、Tシャツというシンプルなものを、教育、啓発、資金調達の手段として活用した。ブラジルでの販売は、乳がんの研究と治療に向けた世界的キャンペーンが数百万ドルを生み出す一助となった。
そこから得た私にとっての最大の教訓は、連携体を築くことだった。
大義には象徴が必要だった。その象徴には流通が必要だった。ファッション企業は規模をもたらした。著名人はメッセージを広げた。消費者は購入を参加へと変えた。乳がんに取り組む機関は、資金と可視性を得た。
どの主体も、単独では同じ影響を生み出せなかっただろう。ディールメーカーの役割は、それらを結びつけることだった。
この経験は、交渉に対する私の理解を変えた。交渉は、必ずしも契約書への署名で終わるわけではない。時には、その成果がムーブメントになることもある。
同じ原則は、メンタルヘルス、人道危機、社会の分断にも当てはまる。単一のセクターだけでそれらを解決することはできない。必要なのは連携体であり、足並みをそろえる方法を知る人々である。
人道的ディールメーキングの5原則
私の経験は、リーダーが従来の取引を超えて応用できる5つの原則を明らかにしてくれた。
1. 立場ではなく利害を交渉する。
ディールメーカーは、各当事者が本当に必要としているものを見極めなければならない。安全、承認、資源、機会、あるいは尊厳である。立場は分断を生みうる。利害は共通基盤を明らかにしうる。
解決策を提案する前に、すべてのステークホルダーの利害を整理することだ。連携体は、メンバーがスローガンを共有していても、期待が対立していれば存続できない。
2. 説得を試みる前に耳を傾ける。
目に見える反対理由が、必ずしも本当の理由とは限らない。抵抗の背後には、恐れや不信があるかもしれない。
能動的傾聴は戦略的インテリジェンスである。優れた交渉者は、解決策を提示する前に、相手の意思決定を理解しようとする。合意の質はしばしば、提案がなされる前に投げかけられた質問に左右される。
3. 参加者それぞれが説明できる成果を設計する。
持続可能な合意は、一方の屈辱を土台に築くことはできない。強いディールとは、各当事者が自らのステークホルダーに対して、なぜ参加に意味があるのかを説明できるものである。
目的は相手を敗者にすることではなく、参加者それぞれが正当に説明できる成果を生み出すことだ。
4. 象徴を行動へと変える。
Fashion Targets Breast CancerのTシャツが機能したのは、参加を目に見えるものにし、手の届くものにしたからだと私は考えている。ムーブメントには意味が必要だが、仕組みも必要である。
リーダーは自問すべきだ。人々が傍観者ではなく参加者になれる、最もシンプルで意味のある行動は何か。
時に、最も洗練された戦略は、最もシンプルな仕組みを通じて表現される。
5. 金銭的リターンを超えて価値を測定する。
ビジネスリーダーは売上高、利益率、バリュエーションを測定する。人道的取り組みには、追加の指標が必要だ。生み出された認知、動員された人々、結びついた機関、大義に向けられた資源、築かれた信頼である。
信頼は資本の一形態である。信用力も、通常なら同じ席に着かない人々を集める能力もまた同様だ。
価値を生むもののすべてが、バランスシートに載るわけではない。
ネットワークをインフラに変える
ビジネスの世界で数十年を過ごすと、多くのリーダーはその真の可能性に気づかないまま、極めて貴重な資産、すなわち「ネットワーク」を蓄積している。
私たちは通常、こう尋ねる。誰が投資家を紹介してくれるか。誰が市場を開いてくれるか。
しかし、別の問いを立てることもできる。誰が問題解決を助けられるか。どの機関同士が互いを知るべきか。どの専門知識が人道的課題に対応しうるか。どの関係が、今日まだ存在していない対話を始められるか。
連絡先リストは、インパクトのためのインフラになりうる。これは、すべてのビジネスリーダーが外交官になるべきだという意味ではない。市民外交は、政府や専門機関に取って代わるのではなく、補完するものであるべきだ。
経験豊かなリーダーは、人々を集め、資源を動員し、連携体を築き、アイデアを実行へ移すことで貢献できる。
自分が真の経験や信用力を持つ課題を特定することだ。その課題にすでに取り組んでいる人々や機関を把握する。そして、自分の関係がどこで障壁を取り除き、つながりを生み出せるかを考える。
目標は、解決策の中心になることではない。解決策をより実現可能にすることである。
最も価値あるディール
経験豊かなリーダーは誰もが、やがて1つの問いに直面する。自分が蓄積してきた資本をどう使うのか。金融資本だけではない。関係資本、評判資本、知的資本、社会資本も含まれる。
市民人道外交における新たな役割を通じて、私はディールメーカーが取引以上のものを交渉できることを知った。ビジネスで数十年にわたり交渉を重ねてきた後、私はディールメーキングの最も高次の進化とは、より多くの人が勝てる合意を生み出すことだと考えている。
リーダーにとって最も重要な問いは、おそらくこうだ。私の人間関係と経験を持つ者だからこそ実現を後押しできるディールとは何か。
その答えは、バランスシートに載らないかもしれない。しかし、それは人生で最も価値あるディールになるかもしれない。



