Forbes JAPAN 2026年10月号は、日本発「世界を変える30歳未満」30人「30 UNDER 30」を特集。
30歳未満の次世代をけん引する若い才能に光を当てるアワードで、米『Forbes』が11年より開催し、世界的に注力している企画だ。『Forbes JAPAN』でも18年から8年間で総計330人を選出してきた。今年の受賞者も、AI革命の真っただなかで先頭に立ち、想像力、知性、そして並外れたグリット(やり抜く力)をもって、「自分が思うより良い未来」を目指す30人。彼ら彼女らがつくる「 新しい社会、新しい経済」から見えてくるものこそが、日本の未来の希望になるーー。
今年の「30 UNDER 30」受賞者のひとりが、5月にカンヌで行った映画『リタ』の英語での製作発表が話題になった永尾柚乃。子役として確かな実績を積んできた彼女が、監督や脚本家など新しい挑戦を続ける理由とは。
「人生、何週目ですか」と思わず問いたくなる。9歳にして本賞史上最年少受賞者となった永尾柚乃。1歳半から俳優として活躍し、6歳で出演したドラマ「ブラッシュアップライフ」(2023年)では中身が33歳の女性という設定の保育園児を“大人感”たっぷりに演じて世間を驚かせた。ドラマ「誘拐の日」(25年)では多言語を操る天才少女を演じ、26年の「JAPANESE NIGHT in Cannes」では自ら監督・脚本・編集・主演を務める映画『リタ』の製作発表を英語で披露したばかりだ。
「カンヌでは緊張よりも“ワクドキ”(ワクワクドキドキ)のほうが大きかったです。私は昔から監督や脚本家になりたかったので、その夢がかなったっていううれしさが大きかった」
アガサ・クリスティや星新一を好み、初めて脚本を書いたのは3歳のとき。以降、ノートに書きためた脚本は20本になるという。「テレビを見ているときとかに、上からアイデアが『パン!』って頭を打たれたように来るんです。『あれ、これ、ちょっと待って?』という感じで、自分のなかに流れてくるものを書きとめる感覚です」。
映画『リタ』の内容は実に奥深い。環境破壊が進んだ地球が宇宙全体を脅かし、惑星間で地球を破壊するかどうかの会議が行われる。判断基準は、永尾演じる少女リタの心だ。
「リタ、は漢字で利他。利他の心があるかどうかで地球の運命が決まる。この先地球はどうなるのか──!?というお話です」
あらゆる生物の共存への願いや、平和のメッセージも込められている。「人はそれぞれだし、自分と違った考えをもつ人もいる。でもそういう人たちとも仲良くできたらうれしいと私は思います。私、言ったことは本当になると思っているんです。言霊です。だからこれからも、ずっと言い続けたい」
セリフも英語も「読んで寝たらおぼえている」という天才肌で、好奇心旺盛な小学4年生だ。
「私、せっかちなんです。知りたいことはすぐに調べるし、やりたいこともすぐやってみる。自分で言うのもなんですが、自分の将来が楽しみです(笑)」
まったく異論なし、だ。
ながお・ゆの◎2016年、東京都生まれ。1歳半で子役デビュー。主な出演に「ブラッシュアップライフ」、NHK大河ドラマ「どうする家康」、「誘拐の日」など。斎藤工がプロデューサーを務める27年公開予定の映画『リタ』では、監督・脚本・編集・主演の4役を兼任する。
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