この2年間の決算説明会を通じて、マイクロソフト(MSFT)は力点を少しずつ移してきた。かつての成長シナリオの中心は、顧客がいま抱えている業務システムを同社のクラウドへ移すことだった。
それがいまでは、エージェント(人の指示を受けて自律的に作業をこなすAI)、モデルの選択、そして利用量を測るメーターが前面に出ている。この転換は成果を上げつつあり、株主から見た売上の中身も変わってきている。
1年前、移行は成長の起爆剤として語られていた
2025会計年度第1四半期の説明会で、サティア・ナデラCEOはクラウド移行が伸び続けていると語り、同じ年度の第4四半期の説明会では、移行が再び加速していると述べていた。ところが2026会計年度第4四半期の決算になると、用意された冒頭説明はもうクラウド移行から始まらない。最初に来るのはAIのプラットフォームとインフラだ。
移行に代わって主役になったのは、処理される仕事そのものとしてのエージェントであり、それは個々のモデルがいつでも別のものに置き換えられることを前提にした仕組みの中に置かれている。
土台は大きい。マイクロソフトクラウドの年間売上高は、2025会計年度に1680億ドル(約26兆9000億円)を超えて23%増、2026会計年度には2140億ドル(約34兆2000億円)で27%増となった。2026会計年度の全社売上高は3310億ドル(約53兆円)を超え、18%増である。経営陣が成長の理由として挙げるものを入れ替える間に、クラウドの伸びはむしろ速まっていた。
シート課金に従量課金を重ねる、これまでとは別の収益モデル
四半期を通じて従量課金への移行を進めるなかで、GitHub上のCopilotの売上高は前四半期比で60%以上伸びた。ただし、その同じ利用量の増加は、インテリジェントクラウドの売上総利益率にも影響した。もっとも経営陣は、ビジネスモデルの移行に伴って四半期を通じて利益率は改善したとしている。Azureの従量課金分の売上は、依然として設備の制約を受けている。経営陣は使える設備を需要が上回る状態が続いていると説明する。



