米国の科学者たちは、ホワイトハウスの科学技術政策局(OSTP)が発表した新報告書『Science: A New Golden Age(科学:新たな黄金時代)』に対して、少なからぬ懐疑を示している。この文書は、既存の体制と基礎研究の役割を全面的に覆すことを求める、米国科学の未来像を提示している。
米国を代表する科学誌『Science』が描写したところによれば、その計画は「国内の主要大学への資金を削減し、研究者の発想に基づく研究を、(指定された)壮大な課題に取り組むチームへのはるかに大規模な助成金に置き換え、他分野を犠牲にして物理科学を重視し、最良のアイデアを選ぶための査読に代わる手段を模索する……」というものだ。
トランプ政権が米国科学に対して行ってきた侵害と受け止められている行為は、前例がなく、広範囲に及び、世界的な影響を及ぼしているだけに、これらは外交的な表現である。米国史上どの時期にも増して、ホワイトハウスは科学活動に対する直接的な政治的支配を追求している。これは権威主義体制と結びついた動きであり、国家の研究体制に深刻な打撃を与えるものだ。
本稿では、この新たな科学計画の中心的テーマの1つ、すなわちエネルギーについて考察したい。これは『Science: A New Golden Age』の範囲と狙いを示す貴重な視座を提供すると同時に、多くの読者にとって示唆的かつ意外な内容を明らかにしてくれる。
米国モデル──ヴァネヴァー・ブッシュと「果てしなきフロンティア」
この報告書は、名称と構成の両面で、1945年に発表されたヴァネヴァー・ブッシュによる画期的な文書『Science: The Endless Frontier(科学:果てしなきフロンティア)』に倣ったものだ。ブッシュは、19世紀のドイツが先鞭をつけたモデルに部分的に基づき、政府資金が大学における研究者自身の主導する基礎研究を推進するという戦後のパートナーシップの構築を主張した。ブッシュの前提は、第二次世界大戦終結時に多くの人々が共有していたもので、基礎研究が経済成長を加速させ国家安全保障を高めるイノベーションを生み出すというものだった。
これが、大部分において米国のモデルとなった。時とともに重要な形で修正されてはきたが──たとえば支援対象が基礎科学だけから応用(用途に基づく)研究の形態にまで拡大されたことなど──この元来のパートナーシップは、第2次トランプ政権に至るまで揺るがなかった。
新報告書はこのモデルを「硬直化した」と評し、ブッシュの「果てしなきフロンティア」とはまったく対照的な「新たな黄金時代」を約束する。端的に言えば、探究と知識から、商業化と富へと全面的に転換することを主張しているのだ。
米国の研究者たちは、現在の研究の資金調達、評価、公表の仕組みが変革を必要としていることを痛いほど承知している。助成金の獲得と管理の煩雑なプロセス、そして査読よりも引用指標に左右されがちな報酬制度は、科学者たちがしばしば批判する2つの例だ。また、一部の公表された研究における結果の再現性に関する問題や、その他の課題もある。
しかしながら、研究体制全体を根本的に異なる原則の下で解体・再構築することを支持する者はほとんどいない。また、政治任用者に助成金審査の監督権を与え、外国人研究者との連携を禁じ、「研究」そのものを大統領の優先事項に沿って再編するという最近提案された連邦規則を踏まえれば、改革の提案を中立的な視点で見ることも困難だろう。
ではエネルギーはこの中でどう位置づけられるのか。新報告書に添えたOSTP局長マイケル・クラチオス宛ての送付書簡で、トランプはまず米国の業績を強調した。「マンハッタン計画は原子の時代に火をつけた。アポロ計画は宇宙開発競争に勝利した。インターネットはわれわれをデジタルの未来へとつないだ」
これらすべての例において、エネルギーの役割は中心的だ。それに呼応するかのように、『Science: A New Golden Age』もエネルギーを中核的テーマに据えている。この点には多くの人が同意するだろう。
問題は、どの科学と技術が対象なのかということだ。「新たな黄金時代」において「エネルギー」とは何を意味するのか。ここでの答えは、われわれの予想とは異なるものだ。
エネルギーの未来を左右する唯一の源──予想とは異なるその正体
それは炭化水素ではない。実際、この米国科学の見直しにおいて、石油とガスは主役の座を与えられていない。役割は与えられておらず、言及も通り一遍だ。シェール革命と巨大な米国の石炭埋蔵量に基づく「エネルギー覇権」についての言説にもかかわらず、それらは『Science: A New Golden Age』では何の役割も果たしていない。
代わりに、新たな「黄金時代」はまったく異なる源からもたらされる。それは原子力だ。
これは誤りでも見落としでもない。トランプは書簡の中で、原子力技術をAI、量子情報科学と並ぶ、米国が「比類なき世界的リーダーとしての地位を確保しなければならない」3つの技術の1つに位置づけた。原子力は「未来の条件を定める」分野の1つだと彼は述べている。
新報告書のとりわけ示唆に富む章のタイトルは「重要・新興技術における米国の優位の確保」で、次のような印象的な文で始まる。「われわれの物理学者たちは、シュレーディンガー方程式を、第二次世界大戦を終わらせた兵器へ、そしてその後の核秩序を定めるものへと翻訳した」
シュレーディンガー方程式がマンハッタン計画にとってどれほど中心的だったかという問題はさておき、今日の多くの物理学者は、兵器と原子炉が単一の「秩序」を成し、米国が1940年代後半に有していた完全な優位性を再び取り戻さなければならないという考えを退けるだろう。
また、その計画に関わった人々が「われわれの」ものだったという主張にも同意しないだろう。最も重要な科学者たちのかなりの部分は、エンリコ・フェルミ、ハンス・ベーテ、ユージン・ウィグナー、エドワード・テラー、オットー・フリッシュ、アルベルト・アインシュタイン、レオ・シラードなど、比較的最近の移民だった。
だがここには、より深い問題がある。理論研究を含む基礎科学は、原爆計画にとって絶対に不可欠だったし、量子コンピューティング、核融合(報告書はこれを推進している)、次世代核分裂にとってもそうであり続ける。
『Science: A New Golden Age』は商業化、防衛能力、イノベーションの実証を求めており、同書のどこにもこの事実を受け入れようとする姿勢は見られない。率直に言えば、新たな「黄金時代」は、新たな基本粒子、元素、あるいは種の発見よりも、新たな兵器システムをはるかに好むだろう。
米国の技術的失敗の象徴としての原子力
だが原子力がこれほど中心に据えられている真の理由は、米国が自らの技術能力をいかに自ら損なってきたかを最も象徴的に示す事例だからである。
「原子力産業はその問題を最も極端な形で示している。米国はかつて原子力技術で世界をリードしていた。われわれは原子炉を建設し、技術者を育成し、他国が採用した安全基準を策定した。しかしその後、規制によってこの産業を麻痺状態にまで追い込んだ」
スリーマイル島事故後も原子力を支持し続けた多くの人々にとって、この言葉には相当な真実が含まれている。しかし、政治的・イデオロギー的な主張をするために、大衆の恐怖が果たした中心的な役割は無視されている。
保守派にとって「規制」とは長らく、企業や市場に対する有害な政府の介入、左派の環境保護思想に触発された米国のリーダーシップへの障害を意味してきた。近年ではさらに、気候変動対策に基づく規則や、米国の進歩を阻む障壁という色彩も帯びてきている。
この文脈で原子力は象徴的存在となる。なぜなら、米国が世界に与えながらも、その後実質的に見放してしまったイノベーション領域だからだ。この技術は他国で発展を続け、最近では中国で最も目覚ましい進展を遂げている。原子力エネルギーが初期に集めた期待と開発規模を考えれば、これに匹敵する事例はほとんど見当たらない。
今日、原子力は再び取り戻され、推進されなければならない。なぜなら「米国のAIおよび製造業全般にわたるエネルギー需要に牽引されて、賭け金は極めて高くなっている」からだ。そして、核分裂が全国のAIデータセンターに信頼できる電力を供給する一方で、「最先端のAIは核融合エネルギーを発展させる」ことになり、循環が閉じ、原子力の役割と価値は今後数十年で倍増する。
盗まれたコンセンサス──黄金ではなく「鉄」の時代へ
したがって、原子力はこの米国科学計画において重要な役割を担っている。4つの点が際立つ。(1)科学ではなく規制こそが束縛要因であるという中心的主張を証明する、(2)AIの野心が要求するエネルギーインフラを供給する、(3)中国との競争を商品ではなく技術の観点から位置づける、(4)米国の科学政策の実際の創設期にまで遡ることで、80年を経た今、科学が何であるべきか、何を成すべきかについての新たな一連の理念への転換の時が来たことを最もよく示す──というものだ。
ただし、基礎研究の根本的価値についての元来の理念は、この期間を通じて弱められたのではなく、むしろ確認されてきたにすぎない。基礎研究が大幅に格下げされ、大学が科学研究において政府行政府の優先事項に従うことを強制されるべきだと同意する科学者、数学者、技術者、あるいは医師を大勢見つけることは困難だろう。
過剰規制の問題に関しても、『Science: A New Golden Age』は別の意味で政治的文書である。ホワイトハウスが、バイデン政権によって導入され、都市計画者、経済学者、政治学者、エネルギー専門家などの間で拡大するコンセンサスによって共有されている認識と提案を引き継いでいることには、一切言及していない。
民生用原子力の分野における明確な証拠は、2024年7月にバイデン大統領が署名したADVANCE法(Accelerating Deployment of Versatile, Advanced Nuclear for Clean Energy/多用途・先進原子力のクリーンエネルギーへの展開加速法)だ。同法は原子力規制委員会に対し、認可プロセスの迅速化、申請料の削減、安全要件の更新、先進炉設計の優遇などを指示した。
これらはトランプ政権が一層の熱意をもって推進してきた措置だが、政権はその成果を全面的に自らの功績として主張してきた──気候との関連には一切触れず──。この主張は『Science: A New Golden Age』でも従順に繰り返されている。
この種のコンセンサスの横取りは、米国の政治において決して目新しいものではないというのは確かにその通りだ。だが本件を異なるものにしているのは、そのコンセンサスを、政府による科学活動を自らの意志に屈させる試みに利用している点である。この試みが成功した場合──今であれ後であれ、その計画を完遂させた場合──もたらされる結果は、金よりむしろ鉄となる可能性が高い。



