数年前、Hubbell Realty CompanyのCEOだった私は、社内で「One Word(1つの言葉)」と呼ぶ取り組みを始めた。
毎年、チームメンバー全員が、これからの数カ月の考え方や意思決定の指針となる言葉を1つ選ぶ。直近の回答に目を通したとき、どんな四半期報告書よりも大きな励みを得た。「joy(喜び)」「intention(意図)」「curiosity(好奇心)」といった言葉が並んでいたからだ。
1つの言葉には力がある。私自身もこの習慣を長年実践してきた。その中で確信するに至ったのは、これまで参加してきたほとんどの戦略策定ワークショップよりも、この習慣のほうがリーダーシップの焦点を定めるうえで有効だということだ。
なぜ1つの言葉は決意リストに勝るのか
年始の目標設定はたいてい、意気込みのある案からスタートするものの、結局はiPhoneのメモフォルダにしまい込まれて終わる。Forbes寄稿者のKathy Caprinoは、ほとんどの人が新年の抱負を2〜4カ月以内に放棄することを示す調査研究を紹介している。問題はたいてい量にある。10個の目標が同じ限られた注意力を奪い合い、2月になる頃には、どれも勝ち残っていない。
One Word That Will Change Your Lifeの中で、Jon Gordon、Dan Britton、Jimmy Pageは、雑然さと複雑さは停滞を生み、シンプルさは明晰さを生むと論じている。まさに私の実感でもある。そして私は、私たちが直面することの大半は実のところそれほど難しくない、とチームに頻繁に伝えるようにしている。
リーダーは、実行が足りない一方で理論化しすぎる傾向がある。本当に必要なのは1つの集中点であるにもかかわらず、次のフレームワークを追いかけてしまう。ここで1つの言葉が役に立つ。決意はグラウンドホッグデーまでに破られるかもしれないが、言葉はすべての会議、すべての意思決定、すべての難しい対話に同行する。
喜び、意図、好奇心
私は言葉を割り当てないし、承認もしない。一人ひとりが自分に必要なものを選ぶ。だからこそ、この取り組みは機能する。喜びは月曜の朝の歩き方を変える。意図は、1週間が始まる前の計画の立て方を変える。好奇心は、ほかの全員が問いを発するのをやめた場で、その人が投げかける質問を変える。
Hubbellだけがこれを実践しているわけではない。
Forbesが新年に向けた創業者たちの目標を集めた際、あるCEOはリストを丸ごと省き、これからのすべてのテーマとして「Trust(信頼)」という1つの言葉を挙げた。この取り組みはすべてを変えた。それは12月に見直す文書ではなく、日々の選択のフィルターになったのである。
自分の言葉を選び、日々実践する方法
では、どうやって自分の言葉を選べばよいのか。鍵は、前を見る前に後ろを振り返ることだ。昨年、どこで期待に届かなかったのか。これからの1年は、昨年にはなかった何をあなたに求めるのか。自分をよく見せる言葉ではなく、自分を伸ばす言葉を選ぶ。忍耐があなたの課題なら、おそらく「忍耐」があなたの言葉である。
次に、その言葉を無視できないものにする。
机、鏡、ノートの最初のページなど、目に入る場所に書く。私はよくチームに、メッセージが定着するまでには何度も聞く必要があると伝えている。自分自身に送るメッセージも例外ではない。これは最もシンプルな自己成長である。1つの考えを、反射的に行動できるようになるまで繰り返すのだ。
この習慣をチームに広げる
20年以上前、Jim Hubbellから会社に対する私のビジョンを明確に示すよう求められたとき、私は長いリストから始め、それを8つの原則に絞り込むよう自分に課した。その抽出の結果が、最新刊の土台となった私の「Eight to Great」であり、それ以来、私たちを導いてきた。
One Wordは、同じ規律を個人のレベルに適用するものだ。
言葉を選ぶことと同じくらい、それを共有することも大切だ。チーム内で言葉が見えるようになると、説明責任とつながりの両方が生まれる。同僚が1年を通じて携える言葉を知ることで、その人について本質的な何かを知ることができる。
だから、自分の言葉を選び、書き留め、チームと共有してほしい。そして、周囲の全員にも同じことを促すのだ。1つの言葉があなたに代わって会社を動かしてくれるわけではない。それでも、自分が最も重要だと決めたものに向かって進み続ける助けにはなる。集中したリーダーシップは、そこから始まる。



