イランの首席交渉官は現地時間8月18日、イランの港湾に対する封鎖や石油制裁の解除といった譲歩に米国側が応じない限り、ホルムズ海峡を通過するすべての船舶に対する封鎖を継続すると警告した。紛争終結に向けた和平合意で設定されていた60日間の交渉期限が切れた数時間後の出来事だ。
イランの首席交渉官を務めるモハンマド・バーゲル・ガリバフ国会議長は、18日に同国の議員らに対し、「封鎖が解除され、凍結資産が解放され、石油への制裁が撤廃されるまで」ホルムズ海峡が再開されることはないと語った。
イランで最も影響力を持つ非軍人指導者の1人であるガリバフは、今年6月にドナルド・トランプ大統領とイランのマスード・ペゼシュキアン大統領が署名した覚書にある主要な条件を米国が反故にしているとして非難した。
過去にもトランプやその政権幹部と公に敵対してきたガリバフは、米国が暫定的な和平合意を受け入れたのは「追い詰められた末の」行動だと主張し、イランは軍事衝突の再開に備えるべきだと示唆した。
トランプは6月17日、紛争を一時的に停止させる暫定和平合意に署名した。この合意には、「最大60日以内に最終的な合意に向けて交渉し、それを達成する」との約束が含まれていた。
この覚書では「双方の合意」があれば期限の延長が可能とされていたが、米国とイランのどちらも延長に傾く様子は見せていない。
英国海運貿易オペレーション(UKMTO)は18日、ホルムズ海峡で船舶への攻撃があったと報告した。同機関によると、この船はホルムズ海峡を通ってペルシャ湾から出ようとしていた際に「正体不明の飛翔体」の直撃を受けたという。これにより船の機関室が損傷し「乗組員に死傷者が出た」という。ホルムズ海峡は開かれ、石油が通過しているとトランプが主張する一方で、18日の事件は最近相次ぐ一連の攻撃の最新事例となった。
紛争が始まる前、ホルムズ海峡を通過する原油量は1日あたり1800万〜2000万バレルで、これは世界全体の供給量の約20%に相当していた。先週、米エネルギー長官のクリス・ライトは、現在ホルムズ海峡を通過する原油の量は約900万〜1000万バレルだと主張したが、独立系のアナリストらは1日あたり約500万バレルとの試算を発表している。
国際原油指標の北海ブレント先物は、18日に1バレルあたり約90.78ドルまで上昇した。90ドルの大台を突破したのは8月に入って初めてのことだ。全米自動車協会(AAA)のデータによると、原油高の影響で米国のガソリン価格は高止まりし、18日時点の全国平均価格は1ガロンあたり4.06ドルだった。
17日、トランプはFOXニュースに対し、もしオマーンが米国の海上封鎖を妨害すれば、中東における主要な同盟国である同国を爆撃すると語った。オマーンに対するこの激しい非難は、同国がホルムズ海峡の船舶航行管理をめぐってイランと協議を行っているとの報道を受けたものだ。
オマーンはホルムズ海峡の南西側に位置し、イランは北側に位置する。トランプは最近になって、米国がこの海峡の支配権を握り、自国の領土として宣言するとの考えを口にしているが、それがどのように実行されるかは不透明だ。



