恋愛関係における対立をめぐる考え方はゆっくりではあるが確実に変わり始めている。対立は敵であり、恋愛関係で対立が生じればそれはカップルにとってトラブルに他ならないというのがこれまでの通説だった。だが現在では、対立は避けられないものであり、それを恐れることは感情的なエネルギーの無駄遣いだという認識になりつつある。
一度も意見が合わなかったり、少なくとも物事に対する見方が異なったりすることなくカップルがずっと関係を続けるということは到底考えられない。当然のことながらこれは現代の自己啓発がカップルに認識を促している点だ。実際、適切に対処すれば対立は関係を改善できることを示す研究が次々と発表されている。
だが、ここで重要なのは「適切に対処すれば」という点だ。そして残念ながら、対立にうまく対処する能力は本能的なものでもなければ、幼い頃に明確に教えられるものでもない。幸い、この問題についての心理学研究は数多くある。さらにありがたいことに、一層「うまく対処する」方法を教えてくれる文献にも事欠かない。
この記事では、恋愛関係において「正しいけんか」を始める3つの方法と、それによって得られる短期・長期的なメリットを解説する。
1. コミュニケーション上手になる
カップルのどちらかが境界線を越えてしまった場面を想像してみよう。たとえば、友人たちの前でパートナーについて少し個人的すぎる冗談を言うなど。
この対立の1つのパターンでは、その場では何も言わず、後になって「あなたはいつもこうだ。私のことを尊重していない」などと口にする。不意を突かれた相手は防御的になり、「ただの冗談だ。反応しすぎだ」と返す。すると会話はたちまち、意図と影響のどちらが重要なのか、どちらが「過敏すぎる」のかといった応酬になってしまう。本来の問題、つまり一方のパートナーの言動によってもう一方がどう感じたのかという点は最後までしっかり議論されることはない。
別のパターンでは同じ懸念をもっと直接的に伝える。「さっき私のことについて言った冗談は気に入らなかった。傷つけるつもりじゃなかったのはわかっているけど、ああいうことは2人の間だけのものにしてほしい」などと言う。こうすれば、相手は明確に応じることができる。何が問題だったのかを推測するのではなく、実際の懸念に向き合うことができる。「そんな風に受け取られるとは思わなかった。教えてくれてありがとう。これからはもっと気をつける」と返せる。
この2つのやり取りの違いはどれだけ明確に伝えているかにある。一方は曖昧で、話を一般化しており、洞察よりも感情が前面に出ている。もう一方は具体的かつ現実的で、相手が改善するために実際に行動できる材料を提供している。



